安定冠動脈疾患を合併する心房細動に対する抗血栓療法
Antithrombotic Therapy for Atrial Fibrillation
with Stable Coronary Disease
with Stable Coronary Disease
N Engl J Med 2019;381:1103-13
心房細動の患者さんが冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)を併発した場合に、従来より服用している
抗凝固薬(DOAC)に、抗血小板薬(アスピリン、プラビックス、エフィエント)を追加しますが、安定期にも
継続が必要かを問うた日本のAFIRE研究の論文が、雑誌NEJMに投稿されています。
今まではステントなどのPCIを施行した心房細動に対しては、経口抗凝固薬+抗血小板薬2剤併用療法
の合計3剤併用療法が実施されていました。
しかし最近では、経口抗凝固薬+抗血小板薬の2剤併用療法が3剤併用療法と比べて、出血リスクを有意に低下させることが示され、欧米のガイドラインでは、PCI後の3剤併用療法の推奨期間を大幅に短縮し、その後は経口抗凝固薬+抗血小板薬の2剤併用療法に移行。
更に1年後以降は、経口抗凝固薬の単剤投与とすることが推奨されています。
しかし、ガイドラインとはかけ離れて、実際の医療現場では2剤か3剤を継続しているケイスが多いよう
です。 (私のブログで心房細動で検索してください。)
1) 日本で行われた多施設共同非盲検試験で心房細動を有し、1年以上前に経皮的冠動脈インター
ベンション(PCI)または冠動脈バイパス術(CABG)を受けているか、血行再建を必要としない
冠動脈疾患が、血管造影で確認されている患者 2,236 例をイグザレルト単剤療法群と、イグザ
レルト+抗血小板薬単剤の併用療法群に無作為に割り付けました。
主要転帰は脳卒中、全身性塞栓、心筋梗塞、血行再建を必要とする不安定狭心症、全死因死亡と
しています。
2) 併用療法群で死亡率が上昇したため、試験は早期に中止されました。
イグザレルト単剤療法は、主要有効性評価項目に関して、併用療法に対しては非劣性を
示しました。
イグザレルト単剤療法は、主要安全性評価項目に関しても、併用療法に対して優越性を
示しました。
イベント発生率は 1 患者年あたりそれぞれ 1.62%と 2.76%でした。(危険率 0.59)
また小出血も、5.89%対10.31%(危険率は0.62)と単独療法が優位です。
有害事象は全体で(全死亡例、心筋梗塞、脳卒中、大出血)明らかに単独療法の方が優位でした。
(3.90%対6.28%で危険率は0.62)
3) 心房細動と安定冠動脈疾患を有する患者において、1年後のイグザレルト単剤療法は併用療法に
対して、有効性については非劣性を、安全性については優越性を示しました。
私見)
心房細動の患者さんがPCIを受けて1年が経過したら、DOAC単独で十分の様です。
詳細なデーターはsuppleより下記のPDFに纏めました。
本論文より.pdf
DOAC.pdf
今日は、消費税が上がってから初めて買い物に行ったのですが...。
まだ何が8%のままで、何が10%なのかわからず、言われるがままに払ってますが。
やはり、消費税が上がる前に比べると、飲食店は空いてるみたいですね〜(^_^;)