2019年05月24日

女性の再発性尿路感染症ガイドライン・2019年版

女性の再発性尿路感染症ガイドライン・2019年版
 
Recurrent Uncomplicated Urinary Tract Infections
in Women: AUA/CUA/SUFU Guideline (2019)
 


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 アメリカの泌尿器学会(AUA)より、合併症のない女性における再発性尿路感染症(rUTI)のガイドラインが発表になっています。
16の声明文と其々のコメントから成り立っています。


簡単に纏めてみました。

1) statement 1
   病歴の聴取と骨盤内疾患の検査を十分に行う必要がある。

2) statement 2
   尿培養と症状をカルテへ記載することは必須
   (rUTIとは、6カ月間で2回以上又は1年間で3回以上の尿培養陽性と、急性膀胱炎症状を有する事
    と定義されている。 
    中間尿の採取が必要。細菌量の基準は無症候性、特に閉経前の女性のコンタミ(混入)と区別する
    必要があるため一定量を基準とするが、症候性の場合は細菌量が少量でも診断してよい。)

3) statement 3
   コンタミが疑われたら、繰り返して複数回の尿培養検査が必要
   場合によりカテーテル採尿も考慮する。

4) statement 4
  一般的にはrUTIの患者に膀胱鏡検査は必要ない。

5) statement 5
   急性膀胱炎症状の治療を開始する前に尿沈渣、尿培養、感受性検査を実施すべき。

6) statement 6
   急性症状を有するrUTIに対して、時に尿培養を待たずに患者主導で治療薬の服用を提供する事も
   可能です。
   (ある種の状況では、患者が診療を受けずに短期の抗生剤服用の決定を許可する事もあります。
    ある条件とは、旅行中、性交渉、長期の出張、下痢、便秘などです。
    一回の抗生剤の服用と短期の服用とで、予後に差はありませんでした。
    その場合でも以前の尿培養の結果は重視すべきです。)
  
7) statement 7
   rUTI患者に対して無症状の場合には、定期的な尿検査や培養をしなくても良い。
   (但し、妊婦や今後、侵襲的な尿路系の検査をする人は、rUTIの既往があれば尿培養を含めた
    尿検査はしておく必要がある。)

8) statement 8
   尿に細菌が陽性でも、症状が無ければ治療の必要はない。
   (無症候性で細菌尿の治療効果に対しては、エビデンスが無い。
    但しストルバイト結石(リン酸マグネシウムアンモニウム結石)がある場合は、治療も選択肢の
    一つ)

9) statement 9
   第一選択薬は、バクタ、ホスミシン、ニトロフラントイン(日本では未承認)
   (私見としてのまとめ ; 短期療法と長期療法がありますが、概ね効果は同等の様です。
    短期は3日間、長期は7~10日間のようです。セフェム系は効果が劣性で、一番効果が優勢なのは
    キノロン系のシプロキサンとガチフロでした。セフェム系とキノロン系は第二選択薬となります。)

10) statement 10
   rUTI患者の急性膀胱炎治療は、出来るだけ短い治療期間(一般的には7日以内)で治療すべき。
   (短期は3~6日間、長期は7~14日間を意味します。
    短期療法での細菌学的不成功の危険率は短期経過でみますと1.37、長期経過でみますと1.43と
    長期療法より劣性ですが、臨床的な意味合いでは統計学的に差はありませんでした。
    副作用は明らかに、3日療法の短期療法の方が軽減されています。
    よって出来るだけ短期療法に努めるべきだが、長くても7日以内を推奨)

11) statement 11   
   尿培養で耐性菌が検出された場合は抗生剤の短期の点滴療法(一般的には7日以内)も視野に
   入れる。
   (点滴療法を実施する前にホスミシンが感受性を有するかを検討する価値がある。)

12) statement 12
   rUTI患者の将来の尿路感染症のリスクを軽減するために、抗生剤の予防投与を、リスクと利点を
   考慮して決定する。

     ○本院での処方例として
      ・ケフレックス(250mg)を 1錠/日を連日
      ・ホスミシン(500mg)を 6錠/日を10日毎に服用(?)
     ○性行関連としては前後に
      ・ケフレックス(250mg) 1錠
      ・バクタ 1錠

13) statement 13
   代替医療としてクランベリーも考慮

14) statement 14
   症状が消失(asymptomatic)ならば治療後の尿検査はしなくてよい。






私見)
 次回は、ホスミシンに関して再度勉強しブログします。








Recurrent Uncomplicated Urinary Tract Infections in Women_ AUA_.pdf















posted by 斎賀一 at 20:55| Comment(0) | 泌尿器・腎臓・前立腺
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