2018年10月27日

COPDの急性増悪の予防にテオフィリンは有効か? 【考察その1】

COPDの急性増悪の予防にテオフィリンは有効か?
                 【考察その1】 

Effect of Theophylline as Adjunct to Inhaled Corticosteroids
on Exacerbations in Patients With COPD A Randomized
Clinical Trial JAMA. 2018;320(15):1548-1559
 


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 テオフィリン(テオドール、ユニフィル、ネオフィリン等)は、気管支拡張薬として喘息やCOPDには以前
より汎用されていましたが、少量でもその抗炎症作用により他の気管支拡張薬とは異なる併用の利点があります。特にステロイドとの併用では安価のため、今後も有用性が期待されています。
本論文でも記載していますが、ステロイド吸入とテオフィリンを併用すると、その抗炎症作用は100倍以上にもなるとの事です。
 雑誌JAMAに研究TWICSの結果が掲載されています。



纏めてみますと

1) 呼吸機能検査でFEV1/FVC(一秒率、下記のPDFを参照)が0.7以下のCOPD(閉塞性肺疾患)で、
   登録前、年に2回以上急性増悪の既往があり、その後吸入ステロイドを使用している40歳以上の
   方を対象にしています。本研究では更にテオフィリンを追加する事により、その後の急性増悪の回数
   を減らせるかを調査しています。
   急性増悪の定義は、抗生剤や経口ステロイド薬を必要とした場合としています。(2回とは少ない
   感じですが、研究の対象規模との関係のtrade-offを勘案し決めたとの事です。)
   登録は2014~2016年で、その後1年間の経過観察をしています。
   1,567名が登録して、平均年齢は68.4歳で54%が男性でした。

2) 低用量のテオフィリン投与群(200mgを1日1回か2回)とプラセーボ群に振り分けました。
   テオフィリン群は772名、コントロール群は764名です。
   主要転帰(main outcome)は、その後1年間の急性増悪の回数としています。

3) 結果は全体で3,430回の急性増悪が発生していますが、テオフィリン群では、1,727回
   (平均:2.24回)、コントロール群では1,703回(平均:2.23回)でした。 結局効果なし。
   副作用として、心臓関連はテオフィリン群で2.24%、プラセーボ群で3.4%、 胃腸関係はテオフィ
   リン群で2.7%、プラセーボ群で1.3%、頭痛はテオフィリン群で9.0%、プラセーボ群で7.9%
   でした。
   つまりテオフィリンを追加しても効果はありませんでした。
   (心臓関連の副作用がテオフィリン群で少なかったのは意外です。少量の為でしょうか。)

4) GOLDステージ(最重症:FEV1が30%以下、重症:FEV1が30~49%中等度:FEV1が50~79%、
   軽症:FEV1が80%以上)のベースラインに関係なく、吸入ステロイドにテオフィリンを追加しても
   急性増悪の予防効果には寄与関与していませんでした。 (下記にグラフをPDF化しました。)






私見)
 色々な意味で、テオフィリンは逆風が吹いていると感じています。
 Real worldの世界では(僕の世界)効果を実感していますが、暫くは反論が出るのを期待するもの
 です。 それまではUPTODATEの記載を頼りにします。
 下記に要約のみをPDFしてみます。
 (吸入ステロイドの喘息における早期介入は失敗に終わりましたが、テオフィリンのCOPDに対する急性
 増悪には効果は無いが、その都度使用することにより炎症をある程度抑制し、肺のリモデリングを予防
 できるのでは、と期待しているのですが...。)





本論文及びUPTODATEから.pdf











posted by 斎賀一 at 15:20| Comment(0) | 喘息・呼吸器・アレルギー
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