2018年09月06日

C型肝炎治療後の肝線維化の改善について

C型肝炎治療後の肝線維化の改善について
 
Regression of liver fibrosis after curing chronic hepatitis C
with oral antivirals in patients with and without HIV coinfection



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 経口治療薬のDAAの登場により、続々とC型肝炎の治療成功例(SVR)が本院でも認められ嬉しい限りです。しかし注意すべき点は、SVRと言っても必ずしも肝線維化(慢性肝炎や肝硬変の状態)が好転したとは限らない点です。

 今回の論文は、SVR後の肝線維化の改善度を示したスペインからの報告です。
私の以前のブログも併せてご参照ください。


纏めてみますと

1) 対象者は、C型肝炎の治療のDAAでSVRとなった246名です。
   肝線維化の程度は、特殊エコーのFibroscanを使用しています。
   ベースラインとしては以前の研究とは異なり、57.2%が慢性肝炎進行例、18.4%が代償性肝硬変、
   42%がHIV(エイズ)合併でした。

2) 肝線維化の改善度は、軽度線維化例では22.5%に対して、高度線維化例では52.3%と顕著に
   改善傾向がありました。 (まあ、当たり前ですが、進行しても改善があると言う事です。)
   しかし逆の意味では進行した肝線維化例では、41.4%に改善が認められなかったとの報告です。

3) 結論として、代償性の肝硬変に進行した症例では、SVRになっても肝癌発生の早期発見に注意を
   しなくてはならないとしています。





私見)
 本論文を直接読んでいないので、観察期間など詳細は分かりません。また本論文にはHIVの混合
 感染例が多い印象です。しかしDAAによる治療例を集積しての論文ですので、それなりの価値がある
 と思います。
 肝線維が進行している場合は、SVRとなっても約半分の人は肝癌の進行があるかもしれません。
  (以前の私のブログと併せて理解しますと、進行肝線維化例では、SVRになっても20~40%は進行
  するかもしれないと推測できます。)
 年に2回のエコーを含めた経過観察が必要です。






hcv.pdf









posted by 斎賀一 at 13:09| Comment(0) | 肝臓・肝炎
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