2018年04月16日

小児の扁桃腺摘出術の安全性

小児の扁桃腺摘出術の安全性
 
Association Between Age and Weight as Risk Factors
for Complication After Tonsillectomy in Healthy Children
JAMA Otolaryngology–Head & Neck Surgery
Published online March 15, 2018



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 自称まじめ人間な私は医学生の3〜6年生の4年間、病理学教室に出入りをして病理解剖を手伝っていました。大昔の事で、医学の発達した現代とは比ぶべくもありませんが、その時代サマーキャンプの一環として、小児の扁桃腺摘出を行う行事がありました。その際に不慮の事故が起き、病理解剖の手伝いをした経験があります。勿論時代錯誤の誹りを受けかねませんが、開業しても保護者に扁桃腺摘出術を受けるべきか質問されると、そんな私の学生時代の記憶がよぎります。
(もちろん、執刀したのは私ではありません。)

 今回JAMAより、小児の扁桃腺摘出術に関する安全性の論文が出ました。
本来の論文の意向とはかけ離れてしまいますが、示唆に富む結果なので敢えて覚悟の上、意訳をして
読んでみました。

1) 俗に言う日帰り手術と2〜3日の入院での手術を比較すると、その経費は10分の1に節約できる。
   しかしAA-HNS(アメリカの学会)もリスクを勘案して、3歳以下の小児では入院での治療を勧めて
   います。

2) 以前の報告では、術後の出血は2~3%、呼吸障害は6.4%の頻度とされていました。
   また、体重が少ない人は脱水になり易く、逆に肥満の場合は術後合併症が多いと懸念されて
   います。

3) 本論文では、2005~2015年間の扁桃腺摘出術を受けた、6歳以下の2,362人を対象にして
   います。
   患者をa:入院 b:24時間観察 c:外来(麻酔が切れるまで管理)の3群に分けて調べました。
   外来治療での安全性を調べるのが趣旨の論文のため、その意図で患者を選択しています。
   また以前は化膿性扁桃腺炎が原因疾患でしたが、最近では90%近くが閉塞性睡眠時無呼吸
   (OSA)が治療対象です。この論文は10年前からの統計であるため、原因疾患は約半々と
   なっています。

4) 最終的には1,817名を対象にしています。
   3歳以下の場合は455名中7%、3歳以上では1,362名中4.6%に合併症が起きています。
   詳しくは下記のPDFのグラグをご参照ください。
   危険因子として、体重は本論文では因果関係が証明されませんでした。

5) 3歳以下では合併症が主に24時間以内に起きている。
   しかし脱水や出血は術後14日でも起きており、また疼痛も7日間続いている場合も多く、1日の
   経過観察では不十分である。

6) 結論として、3歳以下の場合には合併症が増加する。




私見)
 専門家でない私は、偏見を交えて下記の様にコメントします。

 「日本では入院治療ですし、技術も発展しており安全に手術を施行してもらえますが、3歳までは
  様子を見てはどうでしょう。」

追伸)
 院内で炎上してしまいました。私は単に病理解剖の助手をしただけです。
 全く私は無実です。


  


扁桃腺摘出術の合併症.pdf







posted by 斎賀一 at 19:51| Comment(0) | 小児科
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