2017年10月28日

スタチン系(脂質異常症治療薬)は糖尿病を誘発?

スタチン系(脂質異常症治療薬)は糖尿病を誘発?
 
Statin use and risk of developing diabetes:
results from the Diabetes Prevention Program



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 以前よりスタチン系薬剤と糖尿病の関係が問題になっていました。
今回はビッグジャーナルのBMJからの論文です。


簡単に要約しますと

1) スタチンにはpleiotropic actionsにより、脂質異常の改善ばかりでなく抗炎症作用により、血管
   内皮障害や酸化ストレスに対しての改善で心血管疾患の予防効果がありますが、「逆も真」で、長期
   のスタチンの使用が、糖尿病に繋がる事もあるとしています。

2) 25歳以上の糖尿病のリスクの高い人を3,234名調査しています。
   20%が60歳以上。
   糖尿病のリスクが高い人とは
   ・BMIが24以上 (アジア系では22以上)
   ・空腹時血糖が 95~125
   ・75g糖負荷試験でIGT(2時間血糖)が 140~199

3) 介入(治療)を下記の3群にしています。
    a : コントロール群
    b : 積極的なライフスタイルの改善群
    c : メトフォルミン投与群

4) 当初はスタチンの投与は〜4%でしたが、10年経過で3群とも35%前後

5) 投与されていたスタチンは
    リポバスが40%、リピトールが37%、クレストールが9%、
    メバロチンが8%でした。

6) 以前の研究と同様にバイアスが係っている可能性が多く、スタチンを投与された群は、軽度ながら
   空腹時血糖とHbA1cは高く、インスリンインデックスは低い傾向でした。更に、当然ながらスタチン
   投与群では血圧、脂質異常、心血管疾患の合併も多い傾向でした。

7) しかし、本研究で上記のバイアスを統計学的に処置しても、明らかにスタチンを投与する事により
   糖尿病の発生が36%増加していました。
    (スタチンの服用期間との関係のグラフは原文も画像が悪く、また私は統計学に疎いので、危険率
   の表のみを添付します。下記のPDFをご参照ください。)
   この傾向はスタチンの種類(ストロングスタチン)には関係ありませんでした。

8) 原因的な考察が論じられていますが明白な結論には至っていません。
   インスリンの分泌低下はありそうですが、インスリン抵抗性は証明されませんでした。
   スタチンそのものの作用ではない様です。
   文献の表現を借りると、スタチンが糖尿病状態に対してuncoverするとしています(?)

9) スタチンの心血管疾患における有効性は、既に証明されています。
   糖尿病の危険因子があるからと言って、スタチンを中断すべでないとも述べています。
   但し本研究の前糖尿病状態の人は、殆どが糖尿病に対する認識が少なかった点も留意すべき、
   としています。





私見)
 何はともあれ、「逆も真なり」の事もありスタチンのpleiotropic actionsを過剰に信頼しないで、
 スタチン投与の際は、糖尿病の発生に充分注意が必要なようです。



Statin use and risk.pdf

スタインと糖尿病.pdf

スタチンの代謝.pdf







posted by 斎賀一 at 15:46| Comment(1) | 脂質異常
この記事へのコメント
先生、最近気づいたのですが...

黒目の眉毛側のふちが、左右とも1o位グレーになってきていて〜(゜o゜)

今まで気づかなくて、途中からこうなったのかも定かでないのですが...

何かの病気なのか、老化現象なのでしょうか...(^_^;)

今度診て下さい〜(^-^)/
Posted by at 2017年10月28日 22:48
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