癌の治療中における急性腎障害
n engl j med 376;18 nejm.org May 4, 2017
最近、急性腎不全の用語の代わりに、急性腎障害と言う病名を用いる事になったようです。(それぞれの
区別もあるので下記にPDFを掲載しました。)高齢化社会になり、また疾患や治療内容も変化しています。
ドクターサロンにも詳しく記載されていますので参照してください。
薬局薬剤師ブログ より
今回、NEJMより癌の治療中の急性腎障害についての総説が出ましたので、まとめてみました。
1) 癌の症状が顕在化している場合は、54%にまで急性腎障害の病態を呈する。
2) 血液関連の悪性腫瘍は60%
腫瘍細胞が腎臓に循環して(infilt)起る事は数パンセントと稀で、その他にも様々な要因(浸潤、
圧迫)があるようです。
高血圧があり側腹部痛と血尿を伴っている場合は、急性腎障害を疑う。
3) 多発性骨髄腫は20〜50%
腫瘍が産生する蛋白質(free light-chain)が尿細管を閉塞することが原因
高カルシウム血症、高尿酸血症も尿細管障害を引き起こす。
4) 腎癌の手術後
腎臓を全摘すると急性腎障害の率が増加
5) 腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome)
腫瘍そのものが原因な事もあるが、抗がん剤により腫瘍細胞が破壊され、様々な物質が癌細胞
から放出されて腎障害を誘発する。
その他にも高カリウム血症、高リン血症、高尿酸血症、低カルシウム血症
などが関与する。
6) 高カルシウム血症の関与
特に肺の扁平上皮癌では20%が起こる。
7) 抗がん剤は腎臓の色々な部位に作用して急性腎障害を引き起こす。
8)予後
あるデータによると60日の生存率は14%と低い。
よって早期の診断と、透析の実施の判断を患者と相談しなくてはならない。
私見)
筆者も述べていますが、急性腎障害を呈している場合に抗がん剤が唯一有効なこともあり、その兼ね
合いが難しいようです。
症状が顕在し且つ抗がん剤治療を行っている患者さんに対しては、電解質、尿酸等を含めた腎機能を
十分に観察しなくてはならないと肝に銘じました。
急性腎障害診療の進歩.pdf
癌患者における腎障害 onconephrology.pdf
薬局薬剤師ブログ.pdf
診断基準.pdf
握力も弱くなっちゃってるのか、一昨日は大袋のふりかけを蒔き散らし、昨日は焼き肉バラ蒔いちゃって(ToT)
今日は蒔かないぞ〜と思った矢先に油揚げをばら蒔いて(>_<)