2017年04月15日

急性妊娠脂肪肝

急性妊娠脂肪肝

Acute Fatty Liver Disease of Pregnancy: Updates
in Pathogenesis, Diagnosis, and Management



        
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 一般的に妊娠初期は不安定で注意が必要ですが、妊娠後期は安定期とされています。
 今回の論文で、妊娠後期で胎児由来の脂肪酸に対する酸化酵素の欠如により、母体の肝臓に重大な脂肪変性が生ずる疾患、急性妊娠脂肪肝の啓蒙を含めた警告をしています。
 本病変は稀ではありますが、実地医家が認識しておく事の重要性を説いています。
早期発見により、母体の死亡率は100%から10%に減少しています。
これは、診断がつき次第胎児の早期での分娩を勧めており、その結果、最近では妊婦の予後は好転しています。 しかし残念ながら出産児の死亡率は20%を推移しているとの事です。


  診断基準として、Swansea criteriaがあるとの事で下記に掲載いたします。


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  昔の妊娠中毒症と言われた病名の中にヘルプ症候群(HELLP)がありますが、
  今回の急性妊娠脂肪肝と症状が良く似ているとの事です。



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 上の表は下記のPDFを参照





私見)
 実地医家として妊娠後期の腹部症状には十分な注意が必要と、改めて認識いたしました。




Access _ Acute Fatty Liver Disease of Pregnancy_ Updates in Pathogenesis, Di.pdf


HELLP.pdf







posted by 斎賀一 at 15:35| Comment(0) | 婦人科
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