小児の2024・ワクチンガイドライン
Recommended Childhood and Adolescent Immunization Schedule:
United States, 2024
United States, 2024
アメリカでの小児・青年のワクチンガイドライン2024年版が発表になっています。
特徴として、肺炎球菌ワクチンに対する変化があります。
以前に肺炎球菌ワクチンについて私のブログで紹介しましたが、復習を兼ねて下記に記載
します。
「肺炎球菌は、菌体の表面のpolysaccharideにより100種類ほどに分類されます。
病原性のあるものは主に24種で、75%と言われています。
肺炎球菌ワクチンは2種類あります。
子供用のPneumococcal conjugate vaccines(PCV)と
高齢者用のPneumococcal polysaccharide vaccine(PPSV)です。
Pneumococcal Conjugate Vaccines (PCV)は結合ワクチンで、多糖体と蛋白質が結合して
います。
これにより、免疫系がより強力に反応しやすくなります。
主に幼児や小児は免疫応答が弱いので、PCVを用います。
効果は肺炎球菌感染症だけでなく、中耳炎や菌血症などの他の病気も予防することが期待
されます。
PPSVは肺炎球菌の多糖体のみの抗体です。これにより接種された人の免疫系は、これらの
多糖体を認識して対応する抗体を生成します。
成人は免疫応答が確立されていますので、多価のPPSVが用いられます。
PPSVの方が多価のため有効のように感じられますが、それには制限があり、免疫応答が強い
PCVの方が一般的な菌種には有効性が高いです。
年齢とともに免疫機能が低下する現象があり、これが感染症への感受性を高める一因となり
ます。日本においても高齢者にPCVが期待される原因です。」
以下に本ガイドラインの要点を記載します。
現在、小児の肺炎球菌ワクチンはPCV13ですが、今回のガイドラインではPCV13が削除され
PCV20が追加されています。PCV15、PCV20、PPSV23の定期接種、キャッチアップ、
特別な状況に関する項目が追加されています。
日本では小児のRSワクチンは未だ承認されていませんが、アメリカでは詳細な追加項目が
セッティングされています。
インフルエンザワクチンの卵アレルギーに関しても、事前の配慮は必要ないとしています。
ヒブワクチンの天然ラテックスアレルギーに対するアレルギー反応の病歴の禁忌条項は、
削除されました。
私見)
日本のワクチン事情は安全第一です。
それなりの利点はありますが...。
Childhoodand AdolescentImmunizationSchedule.pdf
Recommended Child.pdf