睡眠中は左側臥位が胃酸逆流症を防ぐ?
The effect of sleep positional therapy on nocturnal gastroesophageal
reflux measured by esophageal pH-impedance monitoring
reflux measured by esophageal pH-impedance monitoring
睡眠中のポジションは左側臥位(左を下)が良いか、右側臥位(右を下)が良いか論争
されてきました。多くのガイドラインは左側臥位を推奨していますが、uptodateでは明白には
記載していません。人により判断としている文献も散見されます。
また、左側臥位が良いとするメカニズムも、明白には分らないとしています。
今回、左側臥位が睡眠時の胃酸逆流を防ぐとする論文がありましたのでブログします。
1) 睡眠時の胃酸逆流症の30人を調べています。その内27人が登録しています。
PHを測定し、睡眠中の食道の胃酸の暴露時間を測定しています。(AET)
勿論、胃酸分泌抑制剤は休薬(off)としています。
左側臥位を維持するために、electronic wearable deviceを用いています。
胸部に貼るだけで、左側臥位を外れると軽いバイブレーションで知らせる装置です。
左側臥位にする事により胃が食道の下になり、重力の関係から胃酸が逆流しないと説明して
います。食道から胃への進路は、ちょうど三日月様になっています。
2) 主要転帰は夜間のAETです。二次転帰は逆流症の頻度です。
2週間後の治療後に再度PHを測定しています。
3) 2週間後にAETは3.1%から6.0%に減少しています。
症状は2週間後には3.0から8.0に減少しています。
症状の回復は70.4%と高率でした。
4) 考察
日中と睡眠時とは逆流症も異なります。日中の逆流は短時間で頻度も少ないです。
また睡眠時は唾液の分泌も低下しており、食道のクリアランスも低下しています。
本研究では70.4%に症状の軽減があり、このデバイスの継続使用を77.8%の人が
望みました。
私見)
本論文は、胃に食べ物がない睡眠時の事を言っています。
食べた後では左側臥位でもNGです。
昼食後の昼寝が楽しみな、ひと時です。食べ物の胃からの通過は右側臥位がよいのですが、
確かに食べた直後では逆流症状が出てしまいます。
左側臥位ではそのような事はないのですが、消化が悪いと思います。
結局最近では、リクライニングで昼寝をしています。
しかし、頭を高くしての睡眠は腰を痛めてしまいました。
睡眠時には抱き枕が最高だと思っています。
本論文.pdf