糖尿病患者に解熱鎮痛薬は注意
<短 報>
Heart Failure Following Anti-Inflammatory Medications
in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus
in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus
糖尿病は腎機能と心不全の危険因子です。解熱鎮痛薬そのものが腎機能低下、体液貯留、
心不全の悪化に関与します。
糖尿病と解熱鎮痛薬との関連性を調べた論文がデンマークからあります。
1) 1998年から2021年に糖尿病と診断され、且つ以前に心不全、関節リウマチ、120日間
解熱鎮痛薬を服用した既往歴のない人が対象です。
331,189名が登録されています。平均年齢は62歳。
観察期間中に23,308名(7%)が心不全で入院しています。
期間中に少なくとも1回は解熱鎮痛薬を服用した人は、52,990人(16%)でした。
解熱鎮痛薬服用期間は29日以内として、心不全で入院との関連性を調べました。
2) 結果
解熱鎮痛薬を比較的短期間服用で心不全入院の危険率は、1.43です。
特に80歳以上での危険率は1.78
糖尿病治療薬が1剤以下で、糖尿病のコントロール不良(A1cが高い人)の場合、
危険率は1.68です。
以前に解熱鎮痛薬の服用がなく初めて使用した人では、2.71と高い傾向でした。
3) 結論
高齢者で糖尿病のコントロール不良で初めて解熱鎮痛薬を服用する場合には、特に
注意が必要となります。
私見)
心血管疾患に解熱鎮痛薬(NSAIDs)の服用には以前より注意勧告が出ていますが、
糖尿病の場合にも、やはりナイキサンが無難でしょうか。
心不全 NSAIDs.pdf