昼寝は30分以内が良いかも
Lifestyle mediators of associations among
siestas,obesity, and metabolic health
siestas,obesity, and metabolic health
地中海の住民を対象にしたスペインからの報告です。
対象者は特に病歴がなく、服用薬もない人です。もともと地中海の住民、特にスペイン人は
昼寝の習慣があります。35%が週に4回は昼寝をしているとの事です。
従来から昼寝はストレスに良く健康にも好影響を及ぼすとされていますが、本研究では昼寝の
長さがライフスタイルに影響し、肥満と関係するのではとの想定の元に始めています。
1) 3,275名が登録しています。昼寝が30分以内の群と30分以上の群で調べました。
35%が昼寝をしており、16%が30分以上です。
結果は下記の図譜を参照ください。
(ORがオッズ比、つまり危険率です。30分以上の昼寝では肥満、高中性脂肪血症、HDL低下、
収縮期血圧、拡張期血圧、血糖値において何れもオッズ比は1.0以上と悪影響の結果です。)
昼寝をしない人から比べて30分以内では、収縮期血圧は寧ろ低い傾向です。
肥満傾向で30分以上の睡眠群の人は、喫煙者が多い傾向です。
また、肥満者で昼寝が30分以上の群の人は就眠時間が遅く、昼食を多く摂取する傾向でした。
昼寝の形式もベットでしっかりとる人は、30分以上の長い昼寝で血圧も高い傾向です。
2) 考察
副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の日内変動に、長い昼寝は影響を及ぼすものと推定
しています。インスリン抵抗性、空腹感、食欲亢進、喫煙、腹部膨満、それらが必然的に
昼寝を長くしてしまうようです。それが就眠時間の遅延となります。
以前の研究からは、1時間以上の昼寝は心血管疾患に悪影響を及ぼし、逆に30分以内では
カテコールアミンの分泌を低下させ血圧に好影響との結果です。
長い昼寝に入らないで睡眠の惰性に終止符を打つことはpower napと言って、記憶力の
改善にも繋がります。
長い昼寝は却って覚醒後に疲労感があるものと、注意もしています。
私見)
たっぷりと昼寝をするのが好みでしたが、今日からは30分以内に切り上げます。
昼寝 本論文.pdf