NT-proBNP検査は心房細動と脳卒中の予測因子
Effects of Systematic Atrial Fibrillation Screening According to
N-Terminal Pro-B-Type Natriuretic Peptide
: a Secondary Analysis of the randomized LOOP Study
N-Terminal Pro-B-Type Natriuretic Peptide
: a Secondary Analysis of the randomized LOOP Study
以前発表されたLoop研究(下記のPDF参照)の事後解析です。
Loop研究では心房細動検出のために埋込み型ループレコーダーを装着しても、心房細動の
検出は高まったが、脳卒中、全身性塞栓症の減少にはつながらなかったとの報告でした。
以前に私のブログでも紹介しましたが、BNPは心房細動の予測因子と言われています。
当然ながら心房細動があれば、脳卒中の発症が増加します。
1) 70〜90歳の未だ心房細動を発症していないで(AF-naïve)、脳卒中のリスク
(高血圧、糖尿病、心不全、脳卒中の既往)が1以上の人が対象です。
6,004人が登録しています。埋込み型ループレコーダーを使用しスクリーニングした
ループ群と、通常の治療群を1対3に割り振って調べています。
心房細動は6分以上続いた場合を診断し、抗凝固薬を処方します。
最終的には5,819名が対象となり、平均年齢は74.7歳でした。
ベースラインのNT-proBNPの値は125です。
2) 結論
ループ群と通常群ともにNT-proBNPが平均以上に亢進していれば、
心房細動のリスクは、各群とも1.84、2.79と増加します。
脳卒中のリスクも1.21、1.60と増加しています。
(SEは全身の血栓症です。)
NT-proBNPが亢進していなければ、両群共にリスク減には繋がっていません。
また全死亡率の減少には両群共にNT-proBNPのサブグループにおいて関与できません
でした。
私見)
脳卒中のリスク(CHADSスコアー)を参考にNT-proBNPをリスク因子として捉える事も
大事な様です。
1 本論文 loop.pdf
3 CHADスコアー.pdf
4 心不全におけるpro-BNP検査.pdf
5 心房細動の予測因子.pdf
6 BNP 予測因子.pdf