静脈血栓塞栓症の弾性ストッキングの効果
Is it necessary to wear compression stockings and how long should they be
worn for preventing post thrombotic syndrome? A meta-analysis of
randomized controlled trials
worn for preventing post thrombotic syndrome? A meta-analysis of
randomized controlled trials
静脈血栓塞栓症は重要な心血管疾患の一つです。
その三分の二は深部静脈血栓症の状態です。血栓症の発症後1〜2年間は注意が必要となります。
発症後の治療は抗凝固薬、運動、そして弾性ストッキングの着用です。
弾性ストッキングは費用が掛からない代わりに、生活の快適さにはやや難点があります。
静脈血栓塞栓症後の弾性ストッキングの効果について、メタ解析の論文が掲載されています。
1) メタ解析は、2022年11月23日までの論文を対象にしています。
深部静脈血栓症の診断後、血栓症に対する弾性ストッキングの効果を調べました。
2) 全体的に血栓症の症状軽減に対しては危険率が0.73と効果的ですが、深部静脈血栓症の
再発、重症化、死亡率に関しては、弾性ストッキングの効果は認められませんでした。
3) ストッキングの使用期間においては1年以内と2年以内とは差がなく、ストッキングの圧に
関しても、25mgHgと35mgHgとでは差がありませんでした。
(本院では27hPaを勧めています。下記に変換のサイトを掲載します。)
変換 水銀柱ミリメートル 宛先 ヘクト パスカル (mmHg → hPa) (convertlive.com)
4) メタ解析の論文には制限があり、良質な論文が今後待たれますが、弾性ストッキングの
着用は1年以内が妥当との事です。
私見)
本院でも稀に肺塞栓症の患者さんが受診します。
夏の時期は弾性ストッキングの着用は難儀ですが、1年間頑張ればよいとすれば耐えられる
かもしれません。
本論文.pdf
弾性ストッキングは圧迫圧.pdf