アルコールの種類と尿酸値
Differences in the Association Between Alcoholic Beverage Type
and Serum Urate Levels Using Standardized Ethanol Content
and Serum Urate Levels Using Standardized Ethanol Content
日本発の聖路加国際病院の研究論文が、雑誌JAMAに掲載されています。
エタノールは尿酸産生の成分を有しており、また腎の尿細管からの尿酸排出を減少させます。
1) 対象者は20歳以上の78,153人です。 平均年齢は47.6歳
2012年10月1日より2021年10月31日までの登録者です。
アルコールの種類はビール、酒、焼酎、ワイン、ウイスキーです。
エタノール20grを基準にしています。
ビール500ml、酒167ml、焼酎100ml、ワイン208ml、ウイスキー62.7mlとなります。
習慣飲酒者は58.8%です。
2) 結論
ビールが主体の飲酒者は尿酸値が高めでした。ワインが主体の飲酒者は中等度です。
酒主体の飲酒者は、尿酸との関連性が最も低いです。
3) 考察
男性においてはビールとウイスキーが尿酸値が高く、女性の場合はビールが一番高い
傾向です。男女共に酒が主体の飲酒者は最も尿酸上昇は低く、ビールは酒の2〜5倍
上昇を認めています。
女性においてウイスキーで高い関係が認められないのは、そもそもウイスキーを大量に
飲酒する人が少ないからと推測しています。
ビールが一番プリン体を有しています。しかもカロリーも一番高いです。
ワインは抗酸化作用のポリフェノールが多く含まれています。
一方で、酒も抗酸化作用のフェルラ酸を含んでいます。
腸内細菌叢とアルコールとの関連性も指摘されています。ビールがこの腸内細菌叢を
変化させます。
ウイスキーにはプリン体は少量です。ウイスキーは短期間ですが尿酸を低下させるとの
論文もあり、今後の研究が待たれます。また遺伝子レベルでの研究も必要です。
私見)
アルコールの種類に関わらず、多量に飲酒すれば尿酸が上昇します。
ビールは特に注意が必要とし、日本初の論文としても、酒なら良いとは勧められないよう
ですが...。
尿酸 アルコール.pdf