心不全(HFpEF)にもエクササイズが必要
Supervised Exercise Training for Chronic Heart Failure
With Preserved Ejection Fraction
With Preserved Ejection Fraction
心不全の患者さんには、運動特に階段の昇降や坂道の歩行には注意を呼び掛けていましが、
下肢の筋力低下は却って心臓の負担を増すため、適時エクササイズを勧めていました。
今回Circulationより、安定しているHFpEF患者には監視下において運動を進めるべきという
メタ解析の論文が出ています。
1) HFpEFの患者はその原因から病態にかけて様々で、個々により異なっています。
しかし、運動(エクササイズ)は多方面(pleiotropic effect)で効果が認められて
います。
2) 基本的には運動によりpeak V̇o2を測定する事ですが、全てのスタディでは行って
いません。HFpEFの場合には運動による適応能力の向上、つまり筋力の強化が一番
関与しているものと考えられます。
HFpEFでは多くが高齢者、肥満、フレイルの状態のため、QOLが障害されています。
3) エクササイズのSETを実施し、ある研究ではQOLの改善が認められていませんし、また
心血管疾患の改善もありませんでした。しかし上の図のように総合的には効果を示して
います。
4) 強めのエクササイズは却って心血管疾患を誘発し、動悸、身体不快感、低血糖も生ずる
危険がありますが、安定しているHFpEF患者では中高年の患者でも安全に行うことが
できます。最近の研究では短期的でなく、12か月の経過で効果を示しています。
最近のガイドラインでは、中程度の強化運動を150分/週(30分を週5回)
及び強化運動を週2回勧めています。
私見)
心不全の患者さんは臨床的にもかなりの幅があります。
運動は全ての人に必要ですが、安全と便宜性を考えて本院ではウォーキングを30分間、
週に5回を勧めます。
HFpEF 運動.pdf