5〜11歳のコロナワクチンの間隔
COVID-19 Vaccine Effectiveness Against
Omicron Infection and Hospitalization
Omicron Infection and Hospitalization
小児は新型コロナ感染による入院率が低く軽症と言われていますが、小児の場合、入院する
症例は殆どがワクチン非接種者です。
5〜11歳でのワクチン効果とワクチン間隔を調べた論文は、今まであまりありませんでした。
それに関してカナダからの報告です。
従来カナダでは、1回目と2回目の接種間隔は3〜8週と決められています。
日本では原則として、3週間の間隔を推奨しています。遅れた場合はなるべく早期に接種する
ことも勧めています。
1) 2022年1月2日より8月27日の間に、コロナ陽性者6,284名と陰性者8,389名を調べ
ワクチン効果を見ています。
2) ワクチンの臨床症状での効果として、2回接種後では7〜29日後で66%です。
ワクチン間隔として調べますと、間隔が56日以上ではその効果は57%で、
間隔が15〜27日で12%、28〜41日で38%でした。
しかし、全ての群で経過とともにワクチン効果は減弱しています。
重症化の予防効果は94%ですが、120日以上経過で57%まで低下します。
3) 結局ワクチンの予防効果は、オミクロン株には5〜11歳の重症化に対してはありますが
症状に対する効果は、4か月後急速に低下します。
従来推奨されている間隔より延長された56日では、症状に対する予防の効果が
2回接種後の90日後までありました。
(A図は間隔が開くほど効果があります。B図は2回接種後の経過時間を色分けし、
2回目の接種間隔と比較しています。何れにしましても、120日経過すると、
その効果は減弱します。)
私見)
本院では厚労省の方針通り、3週間で2回目の接種を勧めます。
しかし、小児は感冒などの疾患に罹患しやすいので、慌てず体調の良いときに8週間(2か月)
までには接種するよう指導したいと思います。
なお、3回目のブスター接種は2価のオミクロン対応ワクチンが、日本でも承認されています。
下記にPDFを掲載します。
コロナワクチン 小児 本論文.pdf
5〜11歳厚生労働省.pdf