子宮頸がん(HPV)ワクチンは中年(27~45歳)にも推奨
Clinical and Public Health Considerations for HPV Vaccination
in Midadulthood: A Narrative Review
in Midadulthood: A Narrative Review
2019年にアメリカでは27〜45歳の中年(midadulthood)にHPVの接種を推奨してきま
したが、未だ接種率が上がっていないとの事です。
IDSAの雑誌からメタ解析のnarrative reviewでの報告です。
・HPVは肛門性器の癌、咽喉頭の癌、肛門性器のいぼ(コンジローマ)、呼吸器で繰り返す
乳頭腫の原因ウイルスです。
HPVは200種類ありますが、その内12種類が発がん性のポテンシャルが高いと言われて
います。
日本でも採用された9価ワクチンは、子宮頸ガンと肛門性器のガンの90%を予防できると
されています。
・アメリカのFDAは、2018年に9価ワクチンを27〜45歳にも拡大して推奨しています。
4価では中年(midadulthood)に安全性と効果が証明されていますが、9価は未だ証明
されていませんが、有効性が類推できるとしています。
・以前の報告では効果は35〜45歳で84%、24~34歳では91%と若干の低下はあるものの、
それ程の差異はないようです。効果期間は10年とされています。
男性の場合、27〜45歳で4価ワクチンによる陽性化を100%認めています。
・Midadultでは、ワクチンを接種していない場合は9価ワクチンの中の少なくとも1つには
感染の機会があります。それに対して集団免疫の効果があるかのエビデンスはありません。
ワクチンによる抗体価は女性で10年、男性で5年と推測されています。
接種率が17歳で65%以下を考えますと、midadultでの接種は集団免疫の立場からも推奨
すべきです。
・更にmidadulthoodでの新しいパートナーの獲得や、コンドームなしの性交渉などの現代
からも、HPVのリスクの増加が懸念されています。
私見)
論文では、臨床家と接種者との間での積極的なコンセンサスが大事としています。
パートナーを信じつつも、御身大事からmidadulthoodでもワクチンは接種すべきかも
しれません。集団免疫の必要性から、接種率を上げる事が必須です。
HPV adult.pdf