2023年03月04日

幼児にはもっと野菜と果物を!

幼児にはもっと野菜と果物を!

Fruit, Vegetable, and Sugar-Sweetened Beverage Intake Among Young
Children, by State



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 アメリカのMMWRの記事によりますと、1〜5歳の幼児は野菜と果物の摂取が少ないとの調査結果を報告しています。
18,386人を対象にしています。アメリカ全土を調査対象にしていますが、1週間で毎日果物と摂取していないのは32%、野菜を毎日摂取していないのは49%で、一方甘い飲料水は、一週間に1回は摂取しているのは57%でした。
食事を与える場合に、幼児の好みの口触りの好みだけでなく、保護者としてプログラムに沿った幼児教育が大事としています。




私見)
 何事も戦略と戦術が必要の様です。戦略としてはブレないことが大事です。
 しかし、長い子供の教育にしろ、経営にしても、戦略も変更せざるを得ない時が
 あります。その時に必要なのが戦術と思っています。しかし、恩師内橋先生は
 ブレないことの重要性を説かれていました。





Fruit, Vegetable, and Sugar-Sweetened Beverage Intake Among Young Children, by State − United States, 2021.pdf













posted by 斎賀一 at 14:06| 小児科

2023年03月03日

赤ワインは心血管疾患の予防

赤ワインは心血管疾患の予防


A red wine intervention does not modify plasma trimethylamine
N-oxide but is associated with broad shifts
in the plasma metabolome and gut microbiota composition




 その昔からフレンチパラドックスと言われているのに、なんで今という感じがしますが、
改めて簡単にブログします。


1) 心血管疾患の病歴がある、平均年齢60歳の男性42名が対象です。
   全員が2週間ウォシュアウトをして、3週間の介入試験です。
   ワイン群はアルコール12.75度の赤ワインを250cc毎日飲みます。
   対象者は禁酒群です。介入試験中は他のアルコール類、ヨーグルト、昆布茶、食物繊維、
   乳製品、プロバイオティクスなどのポリフェノール関連の物は控えます。

2) 腸内細菌と代謝産物のオキシダントの一種であるTMAOを測定します。
   TMAOは腸内細菌が蛋白質の豊富な食品を代謝するときに放出されるトリメチルアミンから
   生成され、アテローム硬化に関与すると言われています。

3) 結果
   赤ワイン群は腸内細菌の変化があり、Parasutterella、Ruminococcaceae、
   Bacteroides、Prevotellaが優位となっていました。
   血液検査では酸化還元のホメオスタシスの改善が認められ、動脈硬化を悪化させるオキシ
   ダントストレスの解消に繋がっていました。
   しかし、TMAO値は赤ワイン群と禁酒群では同等の値でした。
   3週間の介入試験では余りにも短期過ぎるため、今後の試験が期待されるとしています。







私見)
 ジョギングの際に前と同じ場所で、アスファルトの轍に引っ掛かり顔面打撲の
こぶをつくってしまい、とんだ様相になってしまいました。
 痛みよりも年のせいかとガッカリしていると、songの番組で中島みゆきの
「旅はまだ終わらない」のメロディーが流れていました。
 妻の明るい笑い声よりも、音楽は人を慰めてくれるものですね。
 本日は赤ワインも飲まず、風呂にも入らず、ブログはサマリーを読んで
早く寝ます。お休みなさい。






赤ワイン 本論文.pdf












posted by 斎賀一 at 18:02| 循環器

2023年03月01日

新型コロナ後遺症(long COVID)と抗核抗体

新型コロナ後遺症(long COVID)と抗核抗体

Circulating anti-nuclear autoantibodies in COVID-19
survivors predict long COVID symptoms



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 新型コロナ感染の治癒過程で、10〜20%の人が後遺症を呈すると問題視されています。
急性期には自己抗体が進展し、それが病態の原因の一つとされています。
Long Covidの場合に自己抗体の消退がないか、または新たに自己抗体が生じた場合(de novo)
との関連性が指摘されています。
long Covidと自己抗体の抗核抗体(ANA)と血管系の因子(TNF-α,D-dimer)について調べた
論文が掲載されています。


1) 新型コロナ感染後の、回復期の患者106名を対象にしています。
   回復後、3,6,12か月に検査をしています。
   それぞれの時点で症状を記載しています。 (倦怠感、咳嗽、労作時呼吸困難)
   比較対象として、正常の人(22人)、他の感染性呼吸器疾患(34人)を調べています。

2) 結果
   ANAは回復期の3か月が一番高値で、3〜12か月にかけて平均3.99から1.55に減少して
   いました。しかし30%が12か月後まで陽性でした。
   興味があるのはlong Covidの12%が3、6か月時点では陰性でしたが、12か月の時点で
   ANAが陽性になっており、de novo型を示唆します。
   継続してANAの陽性者は、倦怠感、咳嗽、労作時呼吸困難が強い傾向でした。
   TNF-αとCRPは、12か月後にANA高値の予測因子でした。   
   またTNF-αとD-dimerは、12か月後の症状と関連性がありました。

3) 結論
   一般的な感染症でも初期にはANAが陽性ですが、暫くすると消退します。
   新型コロナの場合にANAが持続する事とlong Covid との関連性が示唆され、12か月後も
   持続するANA陽性は、long Covidの一部を示している可能性があります。






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私見)
 本院でもコロナの後遺症を訴えて来院される患者さんがいます。
 私の印象にすぎませんが、20%もいない感じです。
 Long Covidの病態と診断方法に関して研究がなされていますが、かなり専門的です。
 本論文のANA,CRP,D-dimerを適時測定する事なら本院も可能のようです。
 しかし、あくまでも十分に注意した問診が基本かもしれません。










long covid Circulating anti-nuclear autoantibodies in COVID-19 survivors predict long COVID symptoms.pdf









posted by 斎賀一 at 18:44| 感染症・衛生