2022年12月12日

新型コロナの再感染に対する誤解

新型コロナの再感染に対する誤解

Are Repeat Coronavirus Infections Really More Dangerous Than theFirst?
− No, but a recent study has been misinterpreted by some as saying that



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 海外のネットやツイッターでは、新型コロナの再感染は重症化するとの誤情報が出回っている
 ようです。それはミスリードするとの警鐘がmedpage todayに載っていましたので、ブログ
 してみます。尚、関連文献は下記に載せました。


1) 雑誌natureの記載によると、一度感染すると死亡率と入院率が予防できる。
   残念ながらその予防効果は徐々に低下するが、15か月まで再感染率が60%まで期待
   できる。
   死亡率と入院率は低下していない。しかもワクチンを接種していればその効果は
   ハイブリットとなり増大する事が示されている。





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2) 雑誌NEJMの報告は再感染に対して我々を安堵させるものです。
   ワクチン非接種者ですら、再感染における重症化は325人中1人です。
   再感染において重篤化や死亡例は極めて稀です。初感染における重篤化や死亡例は
   基礎疾患のない人では0.5〜0.1です。しかも変異株において、その率は低下傾向です。
   但し、一度目に重篤化した人は二度目の方が重症化した症例もありました。
   この事がミスリードとなってしまいました。
   本論文の筆者は述べています。
   「決して一回目と二回目の重症化率を比べたわけでない。二回目の感染で医療機関を受診
    したケースのみを調べています。
    (当然ながらアメリカでは日本と異なりフリーアクセスではありません。)
   高齢者では、二度目の感染にも十分な注意が必要という事です。






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3) もちろん対策は再感染を防ぐことですが、1回目の感染よりも2回目の方が軽症との希望的
   観察も上の表から出来ます。何と言っても感染歴のある人もワクチンの普及が大事です。






私見)
 第八波の昨今ですが、本院でもワクチン未接種の小児で再感染が認められています。
 現在重症化した方はいらっしゃいませんが、ワクチンの接種は感染後3か月をめどに勧めて
 います。
 職員の皆さん、勇気をもって乗り切りましょう。









本論文.pdf

1 コロナの再感染nature.pdf

2 コロナの再感染NEJM.pdf












posted by 斎賀一 at 17:49| 感染症・衛生