高齢者の尿酸降下薬・ザイロリックの初期用量
<短 報>
Initiation Dose of Allopurinol and the Risk of Severe Cutaneous Reactions
in Older Adults With CKD: A Population-Based Cohort Study
in Older Adults With CKD: A Population-Based Cohort Study
慢性腎臓病の患者においては、ザイロリックの用量を調整しなくてはなりません。
アメリカの学会では、ザイロリックの初期量は100mgからで、腎機能低下では50mgを勧奨して
います。
今回、特に高齢者で慢性腎臓病の場合は、初期量に注意が必要との論文が出ています。
1) 対象は66歳以上で、腎機能のeGFRが60以下です。
ザイロリックの初期量を100mg以上と100mg以下に分けて、処方開始から180日以内での
重篤な皮膚反応で医療機関を受診した頻度を比較しています。
2) 47,315人が登録しています。
平均年齢は76歳、eGFRの平均は45です。
初期量が100以上の群が25,802人で、100以下の群が25,816人です。
重篤な皮膚反応(スティーブン-ジョンソン症候群とTEN)の発生率は
100以上群で0.40%、100以下群で0.18%でした。
重篤な皮膚反応は500人に1人で稀な副反応ですが、時に生命を脅かします。
私見)
ザイロリックの復権が言われています。30年前の私の手帳にも50mgからと記載して
いました。今回の論文でエビデンスとして明白に記載されています。
下記に書籍のPDFも載せました。
・薬の禁忌 100 富野康日己順天堂大学 医学書院
本論文.pdf
手帳より.pdf
ザイロリック 薬の禁忌100.pdf