この冬はTripledemicか?
Flu, RSV, and COVID: The Pediatric 'Tripledemic'
この冬はRSウイルス、インフルエンザ、新型コロナの3つの呼吸器感染症が同時に流行する
可能性が指摘されています。アメリカでは、既に小児で流行が起きているとの事です。
MedPage Todayからブログします。
1) アメリカでは、この数週間でRSと新型コロナの感染が小児で流行し、入院率も上がって
いるとの事です。
やがてインフルエンザの本格的な流行期を迎えると3者の同時流行ともなり、筆者は
“Tripledemic”と造語して警告しています。
2) 小児の救急での喘息発作の頻度は、このコロナ禍で減少しています。
マスクの着用、家庭での隔離、ディスタンスの効果と考えられます。
しかし、今や世界はウイズコロナとなり、マスクもせず屋外での活発な活動が増えれば
呼吸器感染症も増加し、長引く咳と共に喘息の誘発も起きてきます。
新型コロナとRSは、喘息を誘因する感染症と指摘しています。
(喘息の誘因としては、RSはやや後退しマイコプラズマが上がっています。)
3) 免疫機能の負債が同時感染を引き起こし、増悪化するという実験結果もでています。
しかし筆者は、その機序についてはやや疑問を呈しています。
4) 小児のRSの重症例は、頻度としては少なく経過は良好なのですが、ひとたび重症化すると
致命的ともなります。
常に活動性の低下、呼吸数、顔色、喘鳴、not doing wellに保護者は注意して、救急での
受診に備えなくてはなりません。
小児の呼吸器感染症を甘く見てはなりません。
5) 溶連菌感染症の合併も念頭に置かなくてはなりません。
急性中耳炎、化膿性咽頭炎の合併です。
新型コロナによる細胞免疫機能の変化が、細菌感染に影響するとのデータは未だ不十分
です。
“生き延びたら強くなっている” との古くからの格言は誤りです。
私見)
とうとうインフルエンザの流行期に入りました。
医療の逼迫を懸念し、政府も対策を講じています。しかし却って問題点も生じかねません。
本院では出来る限り、従来の診療体制に即して参りましょう。
職員のここ数年の協力に感謝しています。
RSとヒトメタニューモウイルスは収束傾向で、ややホッとしています。
インフルエンザは流行期の兆し
RSは収束傾向で本院でも実感しています。
ヒトメタニューモウイルスも収束しています。
Flu, RSV, and COVID_.pdf
1 12月23日 インフ報告.pdf
2 RS 情報.pdf
3 ヒトメタニューモウイルス情報.pdf