2022年05月11日

原因不明の小児重症急性肝炎

原因不明の小児重症急性肝炎

・The Alabama Doc Who Sounded the Alarm on Unusual Hepatitis in Kids
・CDC: 5 Deaths, 109 Cases of Kids' Mystery Hepatitis Under Investigation



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 既に報道で周知のことと思いますが、医療ネットのMedPage Todayに2つのレポートが
ありましたので、ブログします。
また、日本のネットにも情報がありましたので下記に掲載します。


1) 10月中旬にアラバマ州バーミンガムのマーカス・ブッフフェルナー医師は、嘔吐、下痢、
   そして重度の黄疸の症状で入院した幼い子供を診察しました。これは、CDCの調査に繋
   がる一連の最初のものでした。
   小児は明らかな黄疸を呈していました。検査結果はALT、ASTおよびビリルビンの増加を
   認めています。あらゆるウイルス検査をしていますが、唯一アデノウィルスが検出されて
   います。
   当初はアデノウィルスは擬陽性と考えていましたが、数週間後に同様の患児が入院して
   来ました。やはりアデノウィルスが検出されています。
   その後CDCがまとめた9症例は、1歳8ヶ月から5歳9ヶ月の小児患者です。
   新型コロナの感染とは全員が無関係でした。不思議なことに、肝内ではアデノウィルスは
   同定されていません。
   CDCは5月6日の時点で、100例以上の症例と5例の死亡を確認しています。

2) 5月6日の時点で、CDCは109例と5例の死亡を報告しています。
   全ての患児は10歳以下です。肝機能のトランスアミナーゼ(AST,ALT)は500以上に上昇
   しています。
   90%が入院し、14%が肝移植を検討されました。平均年齢は2歳です。
   アデノウィルスが半数以上で検出されています。消化管症状を呈するアデノウィルス41型
   が疑われています。しかし、アデノウィルスが真の原因かは未だ不明です。
   本患児は免疫不全の状態が想定されますが、罹患以前は免疫不全ではありませんでした。
   現在では新型コロナ感染との直接の関連性は否定的です。
   何らかの動物、ペットとの暴露も疑われています。






私見)
 本院でも新型コロナ、感染性胃腸炎において消化器症状で来院される小児が未だ多く見られ
 ます。報告によりますと明白な黄疸を呈しているようですが、黄疸に関しては慎重に診察する
 必要があります。







1 The Alabama Doc.pdf

2 CDC_ 5 Deaths, 109 Cases of Kids'.pdf

3 小児 肝炎.pdf









posted by 斎賀一 at 18:41| 小児科