心不全治療薬としての利尿薬・ループ利尿薬
ラシックス、ルプラック、ダイアート
ラシックス、ルプラック、ダイアート
<院内勉強会>
蔵書より紐解いてみました。
1) ラシックスは高血圧にも保険適用があり、腎機能を悪化させず大量投与もできる。
ルプラックは利尿作用が強力で、抗アルドステロン作用もあり低カリウム血症を起こし
にくい。
ダイアートは作用が安定して作用時間も長く、交感神経・レニン−アンジオテンシン系の
反動が少ないため、心不全の予後もよい。
2) ラシックス
静注のワンショットで20mgを投与 (回数や量に上限はない。)
経口は20mgからで上限はない。 日に分1〜2
副作用として低カリウム血症、低ナトリウム血症、高尿酸血症、サルコペニア、
急性肺水腫以外は漸増が一般的。
高尿酸血症が8以上では注意が必要。
3) ルプラック
作用時間が6〜8時間と、ゆっくり作用する点がメリット
ラシックスが効果ない場合に変更すると、効果が出ることがある。
経口での吸収は100%のため、ラシックスでは腸管浮腫で吸収が悪い場合も有効である。
利尿の慌ただしさや低カリウム血症が気になるときに、ラシックスから変更する。
4) ダイアート
作用発現は1時間で、持続時間は12時間と長い。
ラシックスでは午前中に排尿が多くなるが、ダイアートはマイルドでゆったりと効いて
くる。
急性期にはラシックスで、安定してきたらダイアートに変更もあり。
5)まとめ
以前の私のブログでNEJMの総説を掲載しましたが、再度目を通してください。
◆参考文献
・薬の比較と使い分け 羊土社
・循環器治療薬ファイル メテ有力ル・サイエンス・インターナショナル
・循環器診療をスッキリまとめました 南江堂
その他文献より (ごめんなさい)
利尿薬 文献より.pdf
利尿薬 ブログより.pdf