2022年04月04日

小児及び青年のオミクロン株に対するワクチン効果

小児及び青年のオミクロン株に対するワクチン効果

BNT162b2 Protection against the Omicron Variant in Children and Adolescents
[This article was published on March 30,2022, at NEJM.org]



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 雑誌NEJMに入院した小児・青年のファイザーワクチン効果を調べた論文が掲載されています。

以前はニューヨークからの青少年におけるワクチン効果を中和抗体、感染率、入院率を含めて
報告があり、私のブログでも紹介しましたが、今回はアメリカの23州での入院を対象にしての
調査です。


1) 2021年6月1日から2022年2月17日までの調査です。
   12歳から18歳はデルタ株とオミクロン株が重なっていますが、5歳から11歳はオミクロン
   株のみです。またワクチンはファイザー社が主体で、12歳から18歳は基本的に2回接種で
   3回目のブスター接種は除外していますが、5歳から11歳は多くが1回接種です。




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2) 1,185例が入院していますが、1,043人(88%)が非ワクチン群です。
   この同じ時期に入院し、コロナ検査で陰性のコントロール群が1,627人です。
   入院例は生命維持装置の使用も調べています。

3) 12歳から18歳の重症例の青年249人中232人は、ワクチン非接種です。
   ワクチン接種により40%の入院率の減少ですが、重症例は79%低下です。
   ブスター接種の効果も例数が少ないのですが、効果ありとしています。
   5歳から11歳のコロナ入院267人中重症例は42人(16%)で、ワクチン非接種は38人
   (90%)で、ワクチン接種によるオミクロン株に対する入院率は68%減少です。




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             (上の図は全体としてのデータです。)





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  (例えば、インフルエンザ死亡率を調べるときに、例年の死亡率からどのくらいインフル
   エンザ流行時に死亡率が増加したかで調べますが、上の図はワクチンを接種しているが
   コロナ以外で入院した人と比較して、ワクチン効果を統計処置して調べています。)





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       (同様の手法で重症入院例を対象に、ワクチン効果を調べています。)






4) 考察
   デルタ株からオミクロン株に移行して、ワクチンによる抗体価の減少も考えられますが、
   オミクロン株の免疫機能の回避が主体と想定されます。
   しかし、12歳から18歳及び5歳から11歳ともに、入院率の低下と重症例の阻止を認めて
   いることから、ワクチンによる細胞免疫の効果も考えられます。

5) 5歳から11歳においても、3人中2人はワクチンにより入院を阻止しています。







私見)
 5〜18歳の若い人のワクチンを勧める論文です。
 本院でも軽症と言えども、最近では小児の新型コロナが主体です。
 5〜11歳のワクチン接種が進んでいません。保護者の方に再考をお願いします。











posted by 斎賀一 at 20:57| 感染症・衛生

オミクロン株・BA-2のアジアにおける懸念

オミクロン株・BA-2のアジアにおける懸念

Why is COVID-19 on the rise in Asia, and what does this mean for the US?



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 Medical News Todayから報告がありましたので、要点だけをブログします。


1) ニュージーランド、シンガポール、香港などで、オミクロン株BA-2が急増しています。
   (報道によりますと、韓国、上海でも蔓延しているとの事です。)
   アジアの国では、ゼロ・コロナの方針で徹底的なロックダウン方式をとりました。
   その成果が確認され解除がはじまりました。残念ながらワクチン接種率は低下したまま
   での解除です。一時期は感染が抑制されていましたが、変異株が次から次へと出現し、
   現在では感染力の強いオミクロン株が主体となり、世界的な流行の再来となっています。
   その結果、ゼロ・コロナは逆効果となっているようです。
   対照的に、ニュージーランドは症例の急増にもかかわらず、入院と死亡を低く抑えて
   います。専門家によると、ニュージーランドは現在世界で最も高いワクチン接種率の1つ
   であり、12歳以上の人の95%が予防接種を受けているためとしています。

2) オミクロン株のBA-1よりもBA-2の方が感染力は強いとの報告ですが、重症化率に関しては
   不明です。ワクチンの効果に関しても未だ十分に検証されていません。

3) アメリカ都市部での下水の検査では、BA-1からBA-2への移行は緩徐で、今後アメリカ
   でBA-2による感染拡大の可能性は低いとする見解と、リバウンドすると警戒する意見が
   あります。
   専門家は、BA-2のために米国でもCOVID-19症例の増加を予想していますが、その程度
   については確実性に欠けています。この不確実性は、米国と欧州における現在のパンデ
   ミック状況の違いに起因しています。
   たとえば、スペインなどの一部のヨーロッパ諸国では、屋外マスキングを含む厳しい
   COVID-19制限がありましたが、最近解除されました。
   対照的に、米国は昨年の夏以来、ほとんど制限を受けていない。公衆衛生政策における
   このような違いは、SARS-CoV-2伝播のパターンに影響を与える可能性があります。
   希望的観測では、アメリカは既にBA-1が流行しておりBA-2の再感染は稀としており、
   そのためBA-2の感染拡大は抑制的としています。

4) 最近のデンマークの研究では、BA-1感染後のBA-2感染のリスクが低いことが示唆されて
   います。米国人口のかなりの部分がBA-1に曝露されているため、短期的にはBA-2感染の
   リスクも低下する可能性があります。
   「世界の他の地域からのデータは、BA-2は伝染性が高いが、BA-1よりも重篤ではないこと
   を示唆している。BA-2が最近BA-1に感染した個人に再感染するという報告がいくつか
   ありますが、これは比較的稀なようです。」とテキサス大学オースティン校の
   Lauren Ancel Meyers教授は述べています。

5) 新型コロナに対する政策の王道はありません。
   米国では個人の約65%が予防接種を受けており、ブースターショットを受けたのはわずか
   44.6%です。対照的に、英国の適格者の約85.8%がワクチン接種を受けており、67.3%
   がブースターショットで予防接種を受けています。
   BA-2であれ、他のSARS-CoV-2変異体であれ、既存のワクチンが人々を感染から守るのに
   非常に効果的であり、重篤な疾患や最悪の場合のシナリオでSARS-CoV-2感染で死亡する
   のを防ぐのに非常に効果的であるという反論の余地のない証拠があります。」と   
   Reithinger博士は説明しました。
   「さらに、たとえワクチン接種を受けたとしても、特に混雑した環境や感染率の高い環境
   では、フェイスマスク、ディスタンス、手洗いなどを遵守することを検討する必要があり
   ます。」と彼は助言しています。






私見)
  BA-2に関しても従来通りワクチン接種、ブスター接種、マスクの装着、3密の回避など、
  重層的な対応が求められています。







Does the COVID-19 surge in Asia have implications for the US_.pdf









posted by 斎賀一 at 20:32| 感染症・衛生