2022年04月01日

血圧の強化療法は脳循環にとっても良好

血圧の強化療法は脳循環にとっても良好

Association of Intensive vs Standard BloodPressure Control
With Cerebral Blood Flow Secondary Analysis of
the SPRINT MIND Randomized Clinical Trial

短 報


40401.PNG
 


 血圧を下げ過ぎると脳循環の低下が起きて、めまいを誘発するのではと心配されます。
特に脳血流自己調節能の観点からは、高血圧の患者さんにおいては血圧低下の変動を受け
やすいと言われており、懸念されています。

 しかし、今回雑誌JAMAよりSPRINT研究(以前のブログ参照)のサブ解析が掲載されて、
血圧の強化療法(厳格管理)の方が標準療法よりも脳循環に優れているとの報告がありました。


1) SPRINT研究のサブ解析として、50歳以上の高血圧患者1,267名が対象です。
   10年リスクを有している患者ですが、糖尿病と認知症のある人は除外しています。
   547名がMRI解析をして登録しています。
   研究は2010年〜2016年で行い、2020年〜2021年にかけて解析をしています。
   4年間の経過観察
   強化療法は、目標血圧が120以下、標準療法は140以下です。

2) MRI検査により基準値から全脳の血液循環量(CBF)の変化を主要転帰としています。
   二次転帰として、灰白質、白質、血管周囲の白質の血流量としています。




         40401-2.PNG




   
3) 結果
   547名の平均年齢は67.5歳。40.0%が女性。315名が完全にMRIの経過観察を終了して
   います。
   全脳の血液循環量(CBF)は強化療法で、38.90から40.36/mL/100g/minと上昇して
   いますが、標準療法では37.96から37.12と変化していません。
   この結果は灰白質、白質、血管周囲の白質でも同じでした。
   更に年齢、性差、人種、慢性腎臓病の有無、フレイルにも関係なく同様の結果です。
   また、心血管疾患の既往のある人でもこの傾向でした。





私見)
 本論文はSPRINT研究の延長線上にあります。
 当然ながら強化療法(積極的治療)を支持しています。
 本院でも目標血圧は120以下ですが、当然ながら基本姿勢はテイラーメイド治療となります。
 本ブログの中から、SPRINT研究の幾つかを下記に掲載してみました。






1 本論文.pdf

2 脳血流自己調節能について考察.pdf

3 降圧目標は120以下か.pdf

血圧の強化療法.pdf

厳格降圧療法.pdf

高齢者.pdf





posted by 斎賀一 at 15:19| 循環器