2022年04月04日

オミクロン株・BA-2のアジアにおける懸念

オミクロン株・BA-2のアジアにおける懸念

Why is COVID-19 on the rise in Asia, and what does this mean for the US?



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 Medical News Todayから報告がありましたので、要点だけをブログします。


1) ニュージーランド、シンガポール、香港などで、オミクロン株BA-2が急増しています。
   (報道によりますと、韓国、上海でも蔓延しているとの事です。)
   アジアの国では、ゼロ・コロナの方針で徹底的なロックダウン方式をとりました。
   その成果が確認され解除がはじまりました。残念ながらワクチン接種率は低下したまま
   での解除です。一時期は感染が抑制されていましたが、変異株が次から次へと出現し、
   現在では感染力の強いオミクロン株が主体となり、世界的な流行の再来となっています。
   その結果、ゼロ・コロナは逆効果となっているようです。
   対照的に、ニュージーランドは症例の急増にもかかわらず、入院と死亡を低く抑えて
   います。専門家によると、ニュージーランドは現在世界で最も高いワクチン接種率の1つ
   であり、12歳以上の人の95%が予防接種を受けているためとしています。

2) オミクロン株のBA-1よりもBA-2の方が感染力は強いとの報告ですが、重症化率に関しては
   不明です。ワクチンの効果に関しても未だ十分に検証されていません。

3) アメリカ都市部での下水の検査では、BA-1からBA-2への移行は緩徐で、今後アメリカ
   でBA-2による感染拡大の可能性は低いとする見解と、リバウンドすると警戒する意見が
   あります。
   専門家は、BA-2のために米国でもCOVID-19症例の増加を予想していますが、その程度
   については確実性に欠けています。この不確実性は、米国と欧州における現在のパンデ
   ミック状況の違いに起因しています。
   たとえば、スペインなどの一部のヨーロッパ諸国では、屋外マスキングを含む厳しい
   COVID-19制限がありましたが、最近解除されました。
   対照的に、米国は昨年の夏以来、ほとんど制限を受けていない。公衆衛生政策における
   このような違いは、SARS-CoV-2伝播のパターンに影響を与える可能性があります。
   希望的観測では、アメリカは既にBA-1が流行しておりBA-2の再感染は稀としており、
   そのためBA-2の感染拡大は抑制的としています。

4) 最近のデンマークの研究では、BA-1感染後のBA-2感染のリスクが低いことが示唆されて
   います。米国人口のかなりの部分がBA-1に曝露されているため、短期的にはBA-2感染の
   リスクも低下する可能性があります。
   「世界の他の地域からのデータは、BA-2は伝染性が高いが、BA-1よりも重篤ではないこと
   を示唆している。BA-2が最近BA-1に感染した個人に再感染するという報告がいくつか
   ありますが、これは比較的稀なようです。」とテキサス大学オースティン校の
   Lauren Ancel Meyers教授は述べています。

5) 新型コロナに対する政策の王道はありません。
   米国では個人の約65%が予防接種を受けており、ブースターショットを受けたのはわずか
   44.6%です。対照的に、英国の適格者の約85.8%がワクチン接種を受けており、67.3%
   がブースターショットで予防接種を受けています。
   BA-2であれ、他のSARS-CoV-2変異体であれ、既存のワクチンが人々を感染から守るのに
   非常に効果的であり、重篤な疾患や最悪の場合のシナリオでSARS-CoV-2感染で死亡する
   のを防ぐのに非常に効果的であるという反論の余地のない証拠があります。」と   
   Reithinger博士は説明しました。
   「さらに、たとえワクチン接種を受けたとしても、特に混雑した環境や感染率の高い環境
   では、フェイスマスク、ディスタンス、手洗いなどを遵守することを検討する必要があり
   ます。」と彼は助言しています。






私見)
  BA-2に関しても従来通りワクチン接種、ブスター接種、マスクの装着、3密の回避など、
  重層的な対応が求められています。







Does the COVID-19 surge in Asia have implications for the US_.pdf









posted by 斎賀一 at 20:32| 感染症・衛生

2022年04月01日

血圧の強化療法は脳循環にとっても良好

血圧の強化療法は脳循環にとっても良好

Association of Intensive vs Standard BloodPressure Control
With Cerebral Blood Flow Secondary Analysis of
the SPRINT MIND Randomized Clinical Trial

短 報


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 血圧を下げ過ぎると脳循環の低下が起きて、めまいを誘発するのではと心配されます。
特に脳血流自己調節能の観点からは、高血圧の患者さんにおいては血圧低下の変動を受け
やすいと言われており、懸念されています。

 しかし、今回雑誌JAMAよりSPRINT研究(以前のブログ参照)のサブ解析が掲載されて、
血圧の強化療法(厳格管理)の方が標準療法よりも脳循環に優れているとの報告がありました。


1) SPRINT研究のサブ解析として、50歳以上の高血圧患者1,267名が対象です。
   10年リスクを有している患者ですが、糖尿病と認知症のある人は除外しています。
   547名がMRI解析をして登録しています。
   研究は2010年〜2016年で行い、2020年〜2021年にかけて解析をしています。
   4年間の経過観察
   強化療法は、目標血圧が120以下、標準療法は140以下です。

2) MRI検査により基準値から全脳の血液循環量(CBF)の変化を主要転帰としています。
   二次転帰として、灰白質、白質、血管周囲の白質の血流量としています。




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3) 結果
   547名の平均年齢は67.5歳。40.0%が女性。315名が完全にMRIの経過観察を終了して
   います。
   全脳の血液循環量(CBF)は強化療法で、38.90から40.36/mL/100g/minと上昇して
   いますが、標準療法では37.96から37.12と変化していません。
   この結果は灰白質、白質、血管周囲の白質でも同じでした。
   更に年齢、性差、人種、慢性腎臓病の有無、フレイルにも関係なく同様の結果です。
   また、心血管疾患の既往のある人でもこの傾向でした。





私見)
 本論文はSPRINT研究の延長線上にあります。
 当然ながら強化療法(積極的治療)を支持しています。
 本院でも目標血圧は120以下ですが、当然ながら基本姿勢はテイラーメイド治療となります。
 本ブログの中から、SPRINT研究の幾つかを下記に掲載してみました。






1 本論文.pdf

2 脳血流自己調節能について考察.pdf

3 降圧目標は120以下か.pdf

血圧の強化療法.pdf

厳格降圧療法.pdf

高齢者.pdf





posted by 斎賀一 at 15:19| 循環器