2021年10月20日

プライマリケアにおける抗うつ薬の継続と中⽌との⽐較

プライマリケアにおける抗うつ薬の継続と中⽌との⽐較
 
Maintenance or Discontinuation of Antidepressants in Primary Care
 <n engl j med 385;14 nejm.org September 30, 2021>
 


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 先進国では、この10年間で抗うつ薬の処方が増加しています。

 今回雑誌NEJMの論文は、英国のプライマリケアにおける抗うつ薬の継続と中断を調べたもの
です。
中断の場合は9か月以上の服用で十分な改善が認められ、本人も中断の意向がある場合です。


1) すべての患者は、抑うつエピソードの既往が 2 回以上あるか抗うつ薬を2年以上服⽤して
   おり、抗うつ薬の中⽌を検討できるほど状態が良好でした。
   シタロプラム、フルオキセチン(fluoxetine)、セルトラリン、ミルタザピンのいずれか
   の投与を受けていた患者を、現⾏の抗うつ薬療法を継続する群(継続群)と、プラセボを
   ⽤いて現⾏の抗うつ薬療法を漸減し、中⽌する群(中⽌群)に 1対1 の割合で無作為に
   割り付けました。





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2) 主要転帰は 52 週の試験期間中のうつ病の初回再発とし、⽣存時間(tim解析で評価
   しています。副次的転帰は抑うつ症状、不安症状、⾝体症、離脱症状、QOL、抗うつ薬
   またはプラセボを中⽌するまでの期間、全般的な気分の評価としました。
   1,466 例がスクリーニングを受け、このうち 478 例(継続群 238 例、中⽌群
   240 例)が試験に登録されました。
   平均年齢は 54 歳で、73%が⼥性です。52 週までに継続群 238 例中 92例(39%)と
   中⽌群 240 例中 135 例(56%)が再発しています。 (ハザード⽐ 2.06)




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                     (以上、日本版を一部コピペ)


3) 抗うつ薬はSSRIを対象にしており、その他の向精神薬は含まれていません。
   抗うつ薬の中断によりQOL、うつ状態、疲労感、離脱症状などは悪化していました。





私見)
 一部患者さんには向精神薬の服用をためらったり、場合により罪悪感すら感じる方がいます。
 また、服用を中断することを希望されるケースもあります。
 本論文は、いかに患者さんと寄り添って治療するかの難しさを示唆しています。











posted by 斎賀一 at 19:09| Comment(0) | 脳・神経・精神・睡眠障害