2021年10月15日

小児にとってデルタ株は意外に軽症かもしれない

小児にとってデルタ株は意外に軽症かもしれない
 
Illness characteristics of COVID-19 in children infected
with the SARS-CoV-2 Delta variant



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 新型コロナは高齢者に多く、しかも重症化率も高いとされていましたが、デルタ株の流行から
一変して、若い人や10歳以下の小児にも感染が広がり、第5波において若い人へのワクチン接種を
勧奨して参りました。今後は11歳以下の接種も検討されています。

 今回、11歳以下の若者ではアルファ株と比較して、デルタ株は意外に軽症という英国の論文が
掲載されています。


1) アルファ株の流行した2020年12月28日と、デルタ株の優勢な2021年7月8日の間を
   解析しています。
   アルファ株に感染した5〜11歳の276人、12〜17歳の418人
   デルタ株に感染した5〜11歳の227人、12〜17歳の479人を調べました。

2) 症状の全体像はアルファ株もデルタ株も同じでした。
   多くの若者は1週間以内に回復しています。
   平均で5日ですが、殆どが2日以内に回復しています。
   5〜11歳は4日で、12〜17歳は6日で回復しています。
   5歳以下と22歳以上の若者では回復に28日を要していました。

3) 入院率はアルファ株では、5〜11歳が2.2%、12〜17歳で1.9%
   デルタ株では、5〜11歳が3.5%、12〜17歳で1.7%でした。
   アメリカではデルタ株の流行で若者を含めた感染者の増加が問題となり、ワクチン接種を
   勧めていますが、イギリスでは逆に若者の軽症化を認めています。
   入院率でもノルウェーではデルタ株の方が低い傾向でした。

4) 本研究では学校閉鎖の処置の違いから結果にはバイアス制限が生じています。

5) 小児ではデルタ株はアルファ株と同様に軽症例が多く、今後のワクチン接種計画に本論文
   の結果が参考になると結論しています。




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             YC;young children      OC;old children







私見)
 若者のlong covidが注目されていますし、記憶障害の後遺症も報告されています。
 本院も12歳以上の方への接種を勧めておりますが、11歳以下の小児に関しては保護者の責任感
 からの早急な接種計画は必要なく、現段階では、ペンディングといたします。








Illness characteristics of COVID-19 in children infected with the SARS-CoV-2 Delta variant.pdf













posted by 斎賀一 at 20:27| Comment(1) | 感染症・衛生