GLP-1作動薬について
<勉強会>
糖尿病治療薬は多岐にわたり、選択肢が広がっています。
患者さんも、どの位置にいるのか判断が迷うと思います。
混同しないためにもGLP-1受容体作動薬(以下GLP-1作動薬)を解説するついでに、他の治療薬
もおさらいしてみます。
DPP阻害薬
インクレチンは食事に伴って消化管から分泌され、インスリン分泌を促進するホルモンの総称である。
インクレチンには、小腸のK細胞から分泌されるグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプ
チド(G I P)と、L細胞から分泌されるグルカゴン様ペプチドー1(G L P-1)の2種類がある。
それぞれが受容体に結合すると膵臓のβ細胞が刺激され、インスリンの分泌が促進される。
インクレチンは分泌後DPP-4により述やかに不活化される。
DPP-4阻害薬は、GLP-1作動薬と共にインクレチン関連薬と呼ばれる。
DPP-4阻害薬はDPP-4を阻害し、インクレチンの不活化を抑制することでインスリン分泌を促進
し、グルカゴンの分泌を抑制して血糖降下作用を示す。
GLP-1作動薬
GLP-1作動薬は小腸のL細胞を刺激してインスリンを分泌させる。
GLP-1作動薬はDPP-4阻害薬よりもインクレチン濃度を上昇させるため体重減少が著明になる。
GLP-1受容体は膵臓以外に神経、消化管にもあるため、食欲不振、胃排出抑制、体重減少を引き
起こす。
短時間作用型のバイエッタは1日2回、リキスミアは1日1回、長時間作用型のビクトーザは
1日1回、トルリシティとオゼンピックは週1回の皮下注射です。
SGLT-2阻害薬
SGLT-2は腎臓の近位尿細管に特異的に発現し、糖再吸収の90%を担っている。
SGLT-2阻害薬はSGLT-2を特異的に阻害し、近位尿細管における糖の再吸収を抑制して血糖の
上昇を抑える。
本院のGLP-1作動薬
当初よりGLP-1作動薬の注射薬を使用していましたが、副作用の吐き気と製品の不具合から
出鼻をくじかれた感で採用を控えていました。
最近、インスリン+ GLP-1作動薬の合剤(ゾルトファイ)とGLP-1作動薬の経口薬
(リベルサス)が上市され有効性が本院でも認められています。(下記のPDFを参照)
今後は他のGLP-1作動薬注射薬も患者さんの適応を絞って採用してみようと思っています。
私見)
ゾルトファイ注射ではほとんど吐き気がなく、リベルサスは、もしかして隔日服用も可能
との事で初期投与の場合は、これも副反応の軽減に有効と感じています。 (下記PDF参照)
今後はGLP-1作動薬も徐々に採用してまいります。
下記のPDFをご参照ください。
◆参考文献
・薬の作用が手に取るようにわかる本 黒山政一 じほう
・薬のデギュスタシオン 岩田健太郎 金芳堂
・medical practice V 32 N1 2015
・medical practice V34 N9 2017
1 GLP-1 PDF.pdf
2 ゾルトファイ.pdf
3 リベルサス.pdf
4 oral-glp-1-diabetes-treatm.pdf
5 リベルザス文献.pdf