2021年10月07日

食物アレルギー

食物アレルギー

Management of Pediatric Food Allergies Evolving



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 乳幼児の食物アレルギーに関しては、栗原和幸先生の「食べて治す食物アレルギー」に則って、
本院ながらのバリエーションを、職員と共に作成し、実施しています。
本方法は、一部に批判的な見解もありますが、今回medscapeの報道では、本院の方法を後押しして
いる感があり、勇気づけられました。
アトピー性皮膚炎との関連のガイドラインも紹介していますが、下記にPDFを載せます。



 •  アレルギーを起こす食物を完全に除去する考えから、徐々に解除していく方法が主流です。

 •  アトピー性皮膚炎の乳幼児の20~30%が食物アレルギーを有しており、
    牛乳アレルギーのある乳幼児の90%が皮膚のトラブルを引き起こします。

 •  乳児に食物アレルギーがあるからと言って、母親が授乳する際にその食物を避ける必要は
    ありません。そのアレルゲンが母乳に移行することは、まずありません。

 •  アトピー性皮膚炎を引き起こす食品を、除去する以外に方法がないこともありますが、
    逆に除去することにより、アトピー性皮膚炎が増悪する事あります。
    アトピー性皮膚炎と、食物アレルギーが関係ない場合もあり、不必要な除去を続けている
    場合もあります。
    アトピー性皮膚炎は、短期間で増悪します。

 •  アトピー性皮膚炎のために、アレルギー食物の除去をするメリットと、除去することにより、
    アナフィラキシー反応を後回しにしているリスクもあり、ジレンマとなる。

 •  可能なら、乳幼児のアレルギーの耐性を獲得すべきブスターを、徐々に行うことが勧められる。
    少量のミルクやヨーグルトを使用したり、Mold-free dietも選択肢です。
    (カビ関連の病気は、症状が最初はあいまいで、無関係に見えるので、診断と治療が、
    特に困難になる可能性があります。症状は、咳や喘鳴から慢性頭痛、持続的な発疹まで
    さまざまです。今後、私としても勉強してみます。)


下記のガイドラインを抜粋しますと


 ・  ミルクアレルギーがアトピー性皮膚炎と関連があると診断したら、8週間は除去を試みてください。
    その際に、代替として大豆も可能です。

 ・  授乳中の母親も除去食を行うかは、十分なコンサルトが必要です。

 ・  乳児のアトピー性皮膚炎の原因としては、色々な因子が考えられているが、
    食物アレルギーが関与していると診断できれば、早期の介入がアレルギーの進展を防げます。
    (アレルギー・マーチ)



私見)
 食物アレルギーは自然治癒もあれば、一生負荷が係るものもあり、生命を脅かすアナフィラキシー
反応も心配しなくてはなりません。
早期の介入も勧められています。十分なエビデンスに基づいてまいります。




本論文.pdf

Atopic eczema in under 12s_ diagnosis and management.pdf







posted by 斎賀一 at 13:14| Comment(0) | 小児科

2021年10月05日

ファイザーワクチンの3回目の接種(ブスター)

ファイザーワクチンの3回目の接種(ブスター)
 
Top Questions Answered About COVID Boosters for Your Patients



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 Medscapeとjournal watchに記事が載っていましたので、簡単に纏めてみます。


Medscapeより

CDCは現在のところ、下記の対象者にファイザーワクチンの3回目の接種を勧めています。
・65歳以上
・長期にわたり施設に入所している18歳以上
・50~64歳の基礎疾患のある人

リスクより利点が勝ると判断した場合は、下記の対象者も接種を考慮する。
・18~49歳で基礎疾患のある人
・18~64歳の新型コロナに晒される危険のある職種
  医療従事者、消防士、救急従事者、警察官、ケアスタッフ
  教育関係、食品関係、工場勤務、郵便局員、公共交通機関勤務、食料品店勤務

  
• 問題点その1
 全ての人が3回接種をすべきとの立場
 特に50歳代でも孫と生活をしている可能性がある。

• 問題点その2
 全ての人が3回接種をすべきではないとする立場
 ハイリスクであることを証明するようを求める。
 しかし接種する側の自主管理も尊重するため、罰則規定を設けるべきではない。

• モデルナで完了している場合は、3回目をファイザーにしてもよいか?
  現段階ではエビデンスがファイザーのみだが、モデルナも近々申請が下りるものと思われる。

• 3回目の有害事象はどの程度か?
  2回接種と同程度との事
  ACIPの報告では、寧ろ3回目の方が軽度であった。
  筆者の個人的感想からは、軽度の感冒程度との印象

• ワクチンが余ったら適応外の人に3回目の接種をしてもよいか?
  副反応も軽度のため、許される範囲と考えられる。
  しかしこの事象が一般的になると、適応そのものの規則が崩壊する可能性を秘めている。
  ただし、我々医療従事者は倫理学者でもなければ法律家でもない。
  現実に直面している実務者である。
  (医療関係者の自主管理を尊重しているようです。ワクチンが不足している現状で当然です。)


Journal watchより
 (私のブログでも紹介しましたがイスラエルの報告からも3回目の接種の有効性が証明されています。)
 コメントではCDCのガイドラインを推進する事には賛成だが、それでも12歳以上の接種を同時に完了
 することが大事だとしています。






私見)
 ウイズコロナという言葉には注意が必要です。
 この2年にも及ぶコロナとの戦いは、守りの戦いに終始しました。
これからはコロナに対して、攻めの戦いが始まったばかりです。長期的な工程を考えなくてはなりません。
経済もさることながら、我々実地医家も直近の課題から解決し長期戦略を練らなくてはならない段階です。






コロナ ブスター.pdf











posted by 斎賀一 at 20:35| Comment(0) | 感染症・衛生

2021年10月04日

前立腺がんのスクリーニング・PSA

前立腺がんのスクリーニング・PSA

    <短 報
 
Prostate-specifi c Antigen Testing as Part of a Risk-Adapted
Early Detection Strategy for Prostate Cancer



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 前立腺がんの検診でも日常診療においても、腫瘍マーカーのPSAが主体です。
今回、スクリーニングの方式を示した論文が出ています。


1) ハイリスクの人にPASスクリーニングを行う
   ・50歳以上
   ・家族歴に前立腺がんのある45歳以上
   ・遺伝子のBRCA2変異のある40歳以上
    しかも余命が15年以上ある人 (つまり100−15=85歳)

2) ・PSAが1ng/ml以下の場合は5年ごとに検査
   ・PSAが1~3ng/mlの場合は2~4年ごとに検査
   ・PSAが3ng/ml以上の場合は、直腸診で異常がなければ1年ごとに検査。
    もしも1ng/ml/年の増加があればMRI検査を行い、その後も積極的な経過観察が必要




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私見)
 今までは4.0がカットオフでしたが、今後は3.0とし直腸診を汎用して参ります。








Prostate-specific Antigen Testing as Part of a Risk-Adapted Early Detection Strategy for Prostate Cancer_ European Association of Urology Position and Recommendations for 2021 - ScienceDirect.pdf











posted by 斎賀一 at 21:00| Comment(1) | 泌尿器・腎臓・前立腺