2021年09月02日

闘い続けた内橋克人先生

闘い続けた内橋克人先生



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 内橋克人先生に師事して三十有余年が過ぎました。
先生が講演で四国に行かれた時、先生を知らない旅館の女将が先生の顔を見ただけで
「あなたは自分に厳しく、人にも厳しい方です」と見抜かれたとの事です。
その事が大変お気に入りの様で、嬉しそうに語られていました。
私はと言えば、「自分に優しいので、できるだけ人にも優しく」がモットーです。
私が、「先生の国民に対する優しい眼差しには心が打たれます。」とお話ししますと、「国民を信用しては
なりません。」との意外な言葉が返ってきました。
訝る私に先生の奥様が、「主人は可哀そうな人や、虐げられた人に対して、心底同情し夜中まで一人泣いているのです」と打ち明けられました。

私の尊敬するある病院長が、失意のうちに地元を離れるとき、私に一言を賜りたいとお話しすると、
「患者を差別しないことです。私はそれを続けてきました。」とお話しくださいました。

以前、内橋先生に愛読書をお聞きした時、「蟹工船です」と教えてもらいました。
内橋先生は虐げられた人、そして、その社会に対し最期まで闘い続けた評論家でした。
「人生のぎりぎりの一言は何ですか」とぶしつけに先生に問うことが夢でしたが、残念ながら
それは叶わない事となりました。
もう一度、先生の書物から自分で見つけなければならないようです。






posted by 斎賀一 at 11:23| Comment(1) | 日記