2021年08月20日

小児の急性胃腸炎にヨーグルトは無効

小児の急性胃腸炎にヨーグルトは無効

Association Between Diarrhea Duration and Severity and
Probiotic Efficacy in Children With Acute Gastroenteritis



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 乳幼児に限らず、大人の急性胃腸炎にも本院はヨーグルト、特にLactobacillusGGの入っている
タカナシ・ヨーグルトを推奨してきましたが、あまり効果がないとのデータが雑誌AJGに載っていますので
纏めてみました。


 1) アメリカとカナダの2つの研究を纏めています。
    対象は、3か月から48か月の乳幼児です。
    1,770人が登録し、プロバイオティクス群が882人(50%)と、プラセボ群を比較しています。
    プロバイオティクス(ヨーグルト)は、Lactobacillus GG と L. rhamnosus と
    L.helveticusです。
    急性胃腸炎の原因は多岐にわたります。


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 2) プロバイオティクスを投与する初期段階で、下痢の期間と重症度を分類しています。
    下痢の期間は、24時間以内、24〜72時間、72 時間以上に分類
    重症度は、1日に下痢の回数が3回以下、4〜5回 、6回以上に分類
    主要転帰は、MVSを用いています。


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    2次転帰は下痢の回数、期間、再診、入院です。

 3) 結果は下記のグラフを参照ください。


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    軽症例は、プロバイオティクスもある程度有効かもしれませんが、入院率を下げるほどの
    効果はありませんでした。

 4) 本研究では、プロバイオティクスを投与をしてからの結果で、又重症度と期間も層別化して
    いますので、研究の精度は今までの研究より高いとしています。




私見)
 急性胃腸炎の基本方針は、補水に変わりはないようです。



Association_Between_Diarrhea_Duration_and_Severity.26 (3).pdf







posted by 斎賀一 at 22:49| Comment(0) | 小児科