イベルメクチンは効果があるのか? その1
Effect of Ivermectin on Time to Resolution of
Symptoms Among Adults With Mild COVID-19
Symptoms Among Adults With Mild COVID-19
新型コロナ陽性者の急増から、自宅療養の患者さんも増加の一途です。
保健所の業務も逼迫しており、開業医の役割が取りざたされています。
政府の方針は、急に中等症以下は自宅待機とし開業医責務論を展開しています。
我々は何も逃げ腰ではありません。サブとロジの観点から、何故ロジの方針を立ててくれないのか不満が
募ります。
前線で自宅療養の患者さんを診察している、ある実地医家の先生がイベルメクチンを処方しているの
には戸惑いを感じました。しかし現段階でやむにやまれぬ心情と察します。
雑誌JAMAにイベルメクチンの効果について論文が掲載されていましたので簡単に纏めてみます。
1) 2020年7月15日から11月30日の間に軽症で自宅か病院にて療養していた467人の患者を登録
し、2020年12月21日まで経過を見ています。
2) イベルメクチンの300μg/kgを5日間服用する群の200人と、服用しないプラセボ群の200人を
ランダム化しています。平均年齢は37歳です。
3) 主要転帰は21日間までの症状の寛解です。副反応は自己申告制です。
4) 結果は、症状の持続はイベルメクチン群が10日に対して、プラセボ群は12日と差はありません
でした。21日までの寛解率はイベルメクチン群で82%に対してプラセボ群では79%と、これも有意な
差はありません。
副反応としての症状の報告に於いても、その差異はありませんでした。
イベルメクチン群で7.5%、プラセボ群は2.5%でした。
5) イベルメクチンのウイルスに対する効果の研究は、動物実験からです。
実際の人体での薬物動態における血液と肺での薬の濃度は動物実験とかなり異なっています。
つまり、通常の投与量では有効な濃度に達していないのですが、今までの研究報告によりますと、
それでも効果ありの結果です。
しかも今までの報告は全て査読段階で、その後正式な雑誌による掲載は未だありません。
本研究の服用量は従来の間歇的服用より肺でのイベルメクチン濃度は高く、薬に対する忍容性も
ありました。アメリカのFDAが承認している他の寄生虫に対する薬用量より、本研究の服用量が多い
ことから、今回の研究では十分量のイベルメクチンを服用したものと推定されます。
(つまり、十分量を服用しても効果なしとの見解です。)
私見)
その2で記載します。
jama_lpezmedina.pdf