2021年08月10日

ファイザーワクチンのデルタ株に対する有効性

ファイザーワクチンのデルタ株に対する有効性
 
Effectiveness of Covid-19 Vaccines against the B.1.617.2 (Delta) Variant
This article was published on July 21,2021, at NEJM.org



30810-3.PNG

      

 デルタ株は今や世界中で検出され、英国では症例が顕著に増加しています。
この変異株に対するファイザーワクチンと、アストラゼネカワクチンの有効性を調べた論文が雑誌NEJMに掲載されています。論文の詳細は割愛いたします。


1) 症状を訴えたが検査で陰性であった⼈をコントロール群とし、デルタ株が流⾏し始めた期間中に、
   デルタ株またはアルファ株によって引き起こされる有症状の Covid-19 に対する、ワクチン接種
   の有効を推定しています。

2) 結果はファイザーワクチンでは、2回接種後の有効性はアルファ株感染者で 93.7%
   デルタ株感染者で 88.0%でした。
   アストラゼネカ ワクチンでは、2回接種後の有効性はアルファ株感染者で 74.5%
   デルタ株感染者で 67.0%でした。





          30810-4.PNG

          30810-5.PNG







私見)
 ワクチンの効果が88%もあるとは頼もしい感じです。
 デルタ株に対する本院の取り組みに関しては、この後記載したいと思います。









posted by 斎賀一 at 21:18| Comment(1) | 感染症・衛生

デルタ株 その2 CDCからの報告

デルタ株 その2 CDCからの報告

Weekly / August 6, 2021 / 70(31);1059-1062



30810.PNG


       
 2021年7月に、マサチューセッツ州バーンスタブル郡の町で開催された複数の夏のイベントや大規模な公共の集会で、COVID-19の感染者469件がマサチューセッツ州の住民で特定されました。
約3/4の(346.74%)症例は、完全にワクチン接種された人(mRNAワクチンのファイザーまたはモデルナを2回接種完了した人、またはヤンセンワクチンを接種して14日以上を経過した人)で起こっています。
その中で133人の患者からの株を調べていますが、119(89%)でB.1.617.2(デルタ)変異株を同定しています。
ブレイクスルー、つまりワクチンを接種したのにCOVID-19患者となった人は274人(79%)でした。
最も多い症状は咳、頭痛、咽頭痛、筋肉痛、発熱でした。ワクチン接種後の期間は平均で86日です。
入院した人は4人(1.2%)で死亡例はありません。ワクチンを接種していない人の入院は1人でした。

 この調査の結果から、実質的にCOVID-19感染のない管轄区域でさえ、予防接種状況に関係なく屋内公共の場でのマスクを含む予防戦略の推進を検討する必要があります。
COVID-19感染者が、バー、レストラン、ゲストハウス、賃貸住宅を含む会場で密集した屋内と屋外のイベントに出席したと報告されています。





           30810-2.PNG






 

私見)
 ワクチン接種は重症化を防ぐかもしれませんが、ウイルスの負荷は逃れられず人への感染源に
 なります。
 集団でのマスク着用はもとより、集会への参加はワクチン接種後でも避けるべきです。
 ワクチンパスポートは以前より反対でしたが、足元からその意義が失われています。







2 Outbreak of SARS-CoV-2 Infections, Including COVID-19 Vaccine Breakthrough Infections, Associated with Large Public Gatherings − Barnstable County, Massachusetts, July 2021 _ MMWR.pdf









posted by 斎賀一 at 21:03| Comment(0) | 感染症・衛生