2021年04月20日

新型コロナ・ワクチンの高齢者接種に対する注意

新型コロナ・ワクチンの高齢者接種に対する注意

Management of anaphylaxis due to COVID-19 vaccines in the elderly



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 私の以前のブログでも紹介しましたが、今回はケアネットから高齢者に焦点を当てた論文紹介が
ありました。訳者に失礼ながら、原文を私なりに読んで、自分なりに解釈し、今後の対策を練ります。

 1) 新型コロナワクチンに対する副反応は、高齢者も若い人も同じ頻度と症状と理解してよい。
    又、アナフィラキシーに対する治療の主は、アドレナリンの筋注です。

 2) しかし、若干の相違が高齢者の場合にあります。
    高齢者は局所反応が軽い、発熱、倦怠感、頭痛も頻度は低い。
    アナフィラキシーの発生は、平均年齢が40歳で90%が女性です。
    アナフィラキシーの発生は、高齢者でも若い人でも稀であるが、もし高齢者に発生した場合は、
    重症化しやすく、年齢とともにその程度も増加する。
    アナフィラキシーの症状に関して、高齢者は皮膚症状が軽いが、循環器症状は多い傾向です。
    その症状としては、意識障害や失神(33%)、心停止です。
    一方で、若い人の循環器症状はめまい、頻脈が多いようです。
    高齢者の場合に、チアノーゼ、失神、めまいはアナフィラキシーの前兆で注意が必要です。

    問題点として、高齢者は皮膚症状がなく一気に他の器官症状、つまり、循環器症状が発生し、
    しかも、基礎疾患があるため虚血性の病変を誘発、増悪しかねない点です。

 3) 降圧薬のACE-阻害薬と、βブロッカーの併用している人は、アナフィラキシーの発生が
    多くなります。又、βブロッカーを服用していると、アドレナリンの筋注の効果が減弱するため、
    グルカゴンの静注が必要となります。
    (以前のブログでも、第一選択はアドレナリンです。もしも効果が見られない場合は、
     もちろん救急車です。高齢者で、アドレナリン筋注した人は、全て救急車で2次施設への
     転送となります。)

 4) ABCDE対応
    救急対応ができる状態に迅速にセッティングすることが大事です。

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 5) アドレナリン筋注に関して

    皮下注射は、アドレナリンの血管収縮作用により吸収が遅くなってしまいます。
    筋肉注射が原則です。静注は高齢者では避けるべきです。
    効果が認められない場合は、5分後の再度アドレナリン投与です。
    (つまり救急車の中での再投与です。)
    0.3から0.5ccが標準投与量です。
    アナフィラキシーに対する治療は、アドレナリン筋注に代わるものはありません。その意味で、
    高齢者で基礎疾患があると言えども、アドレナリン筋注に対する禁忌はありません。
    アドレナリン筋注による心室性不整脈、高血圧の増悪、心筋梗塞は発生していません。
    しかし、アドレナリン筋注後の基礎疾患の増悪はあり、十分な注意が必要です。



私見)
 予診票でアレルギーのチェックは大事ですが、高齢者の方には、特段の配慮が必要のようです。



ワクチン 高齢者 アナフィラキシー1.pdf

アナフィラキシー 以前のブログ.pdf

新型コロナワクチンによるアナフィラキシー、高齢者での管理は?|.pdf







posted by 斎賀一 at 21:34| Comment(3) | 感染症・衛生