2021年04月23日

軽症の場合でも新型コロナ症状は8か月続く

軽症の場合でも新型コロナ症状は8か月続く
 
Symptoms and Functional Impairment Assessed
8 Months After Mild COVID-19 Among Health Care Workers



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  新型コロナの後遺症が報道されていますが、医療従事者を対象に軽症の場合でもコロナ関連の
症状が長期にわたり持続することが、雑誌JAMAに掲載されています。


1) 新型コロナで入院した人の約80%に、その後も症状が数か月間持続するとの報告があります。
   スウェーデンの医療従事者を対象に、2020年4月15日から2020年5月8日までの期間調べて
   います。
   抗体検査の関係で当初より2,000人程度に制限して始めています。
   血液検査はIgGを4か月ごとに調べています。症状が重症で抗体が陽性の人と、最初は抗体が
   陰性で調査期間中に陽性になった人は除外しています。
   軽症で抗体陽性の323人(平均年齢43歳)と、コントロール群として期間中に抗体検査が陰性の
   1,072人(平均年齢47歳)を比較しています。

2) 聞き取り調査は、主にスマホにて行っています。 
   発熱、頭痛、嗅覚障害、味覚障害、咳、倦怠感、感冒症状、腹痛、咽頭痛、息切れ等を調べて
   います。
   調査は2か月、4か月、8か月としていますが、最終の8か月では23項目を調べています。
    (下記のsuppleを参照ください)

3) 結果はグラフで表示します。




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          8か月後も何らかの症状が15%近く持続します。




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          仕事においても15%程度支障が生じています。






私見)
 新型コロナは、インフルエンザとかなり異なります。






8 Months After Mild COVID-19.pdf

JAMA supple.pdf











posted by 斎賀一 at 18:08| Comment(1) | 感染症・衛生

2021年04月20日

新型コロナ・ワクチンの高齢者接種に対する注意

新型コロナ・ワクチンの高齢者接種に対する注意

Management of anaphylaxis due to COVID-19 vaccines in the elderly



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 私の以前のブログでも紹介しましたが、今回はケアネットから高齢者に焦点を当てた論文紹介が
ありました。訳者に失礼ながら、原文を私なりに読んで、自分なりに解釈し、今後の対策を練ります。

 1) 新型コロナワクチンに対する副反応は、高齢者も若い人も同じ頻度と症状と理解してよい。
    又、アナフィラキシーに対する治療の主は、アドレナリンの筋注です。

 2) しかし、若干の相違が高齢者の場合にあります。
    高齢者は局所反応が軽い、発熱、倦怠感、頭痛も頻度は低い。
    アナフィラキシーの発生は、平均年齢が40歳で90%が女性です。
    アナフィラキシーの発生は、高齢者でも若い人でも稀であるが、もし高齢者に発生した場合は、
    重症化しやすく、年齢とともにその程度も増加する。
    アナフィラキシーの症状に関して、高齢者は皮膚症状が軽いが、循環器症状は多い傾向です。
    その症状としては、意識障害や失神(33%)、心停止です。
    一方で、若い人の循環器症状はめまい、頻脈が多いようです。
    高齢者の場合に、チアノーゼ、失神、めまいはアナフィラキシーの前兆で注意が必要です。

    問題点として、高齢者は皮膚症状がなく一気に他の器官症状、つまり、循環器症状が発生し、
    しかも、基礎疾患があるため虚血性の病変を誘発、増悪しかねない点です。

 3) 降圧薬のACE-阻害薬と、βブロッカーの併用している人は、アナフィラキシーの発生が
    多くなります。又、βブロッカーを服用していると、アドレナリンの筋注の効果が減弱するため、
    グルカゴンの静注が必要となります。
    (以前のブログでも、第一選択はアドレナリンです。もしも効果が見られない場合は、
     もちろん救急車です。高齢者で、アドレナリン筋注した人は、全て救急車で2次施設への
     転送となります。)

 4) ABCDE対応
    救急対応ができる状態に迅速にセッティングすることが大事です。

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 5) アドレナリン筋注に関して

    皮下注射は、アドレナリンの血管収縮作用により吸収が遅くなってしまいます。
    筋肉注射が原則です。静注は高齢者では避けるべきです。
    効果が認められない場合は、5分後の再度アドレナリン投与です。
    (つまり救急車の中での再投与です。)
    0.3から0.5ccが標準投与量です。
    アナフィラキシーに対する治療は、アドレナリン筋注に代わるものはありません。その意味で、
    高齢者で基礎疾患があると言えども、アドレナリン筋注に対する禁忌はありません。
    アドレナリン筋注による心室性不整脈、高血圧の増悪、心筋梗塞は発生していません。
    しかし、アドレナリン筋注後の基礎疾患の増悪はあり、十分な注意が必要です。



私見)
 予診票でアレルギーのチェックは大事ですが、高齢者の方には、特段の配慮が必要のようです。



ワクチン 高齢者 アナフィラキシー1.pdf

アナフィラキシー 以前のブログ.pdf

新型コロナワクチンによるアナフィラキシー、高齢者での管理は?|.pdf







posted by 斎賀一 at 21:34| Comment(3) | 感染症・衛生

2021年04月19日

グリセミックインデクスとグリセミックロード心血管疾患との関係

グリセミックインデクスとグリセミックロード心血管疾患との関係

Glycemic Index, Glycemic Load, and Cardiovascular Disease and Mortality
n engl j med 384;14 nejm.org April 8, 2021



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 グリセミックインデクス(GI)とグリセミックロード(GL)が、心血管疾患に関連性があることは、
既に色々な文献より報告がありましたが、今回は雑誌NEJMより、世界規模での、特にアジアにおける
調査を報告しています。


 1) 対象は5か国の35〜70歳の137,851人で、平均9.5年間(3.2年から11.9年)経過観察
    しています。
    有効登録者は119575人でした。
    お国柄の食事を配慮して、炭水化物食品を7分類しています。GIとGLを測定しています。
    クオリティの低い炭水化物食品とは、食物繊維成分が少なく、GIが高い食品をさします。
    主要転帰は、心血管疾患(心血管疾患による死亡、心筋梗塞、脳卒中、心不全)
    及び、死亡率です。

 2) 期間中に8,780人の死亡(3,229人が心血管疾患による死亡で、5,551人がその他の原因
    による死亡)と、8,252人の心血管疾患(3,579人が心筋梗塞、3,840人が脳卒中、
    923人が心不全)の発生です。
    高 GI 食品と、主要心血管イベントまたは、死亡のリスクが高いこととの関連が、
    心血管疾患を有していた参加者(危険率は 1.51)と、有していなかった参加者
    (危険率は1.21)の両方で認められています。主要転帰の項目のうち、GI 高値は、
    心血管死のリスクが高いこととも関連していました。
    特に、BMIが高い人にその傾向が著明です。
    しかし、運動、喫煙、降圧薬服用、スタチン服用とは独立した関連性でした。
    GL に関する結果は、ベースラインで心血管疾患を有していた参加者では、GI に関する
    結果と同様でしたが、有していなかった参加者では、有意な関連は認められませんでした。

 3) 考察

    GIは、耐糖能に直接的な関連性はありませんが、食後血糖に影響を及ぼし、
    BMIの増加となります。
    つまり、インスリン抵抗性となり、ひいては心血管疾患の発症となります。
    一方で、低GI食は、食後血糖を抑え、コレステロール値の低下とCRP低下、
    さらに血圧低下に繋がります。
    本研究では、地域的差異(国家間)は十分には解析できませんでした。




私見)
 一般的にGIはもう古く、今はGLの時代とする風潮がありますが、食後過血糖の観点からGIも捨てた
ものではないようです。むしろGLの方が、食事の併用やバランスが大事で、これがいけない、あれがいい
とは一概に言えないかもしれません。

  ネットで調べた一覧表を下記に掲載します。



1 gl ブログ.pdf

2 宇部小児科.pdf

3 gl.pdf










posted by 斎賀一 at 22:45| Comment(1) | 糖尿病