ファイザーとモデルナ・ワクチンのアナフィラキシー
Anaphylaxis to vaccinations:
A review of the literature and evaluation
of the COVID-19 mRNA vaccinations
A review of the literature and evaluation
of the COVID-19 mRNA vaccinations
雑誌CLEVELAND CLINIC JOURNAL OF MEDICINE に新型コロナワクチンの総説が載っていま
したので、再度纏めてみました。
1) ワクチンの副反応全てが免疫機能に関連してはいない。
免疫機能に関連する場合は、免疫グロブリンであるIgEを介して、アレルギー反応が数分か30分
以内で起こる。
その際の症状は蕁麻疹、腫脹、消化器症状、呼吸器症状、循環器症状など多岐にわたる。
遅発性の場合は抗原が誘因となって(trigger)数時間から数日後に出現し、主に粘膜症状である。
IgEの反応はワクチンの抗原(ウイルス)そのものでなく、他の構成成分によるアレルギー反応です。
例えばワクチンの中にある卵や牛乳成分であったり、抗原の反応を高めるために入っているアジュ
バンドであったりする。
また、ワクチン滅菌のための防腐剤もアレルギー反応を起こすが、一般的には遅発性の局所反応
です。
2) ファイザーとモデルナのワクチンによるアレルギー反応は、主にPEG関連の成分です。
軽症で自然に軽快する掻痒感や蕁麻疹は、2回目接種に対して禁忌とはなりません。
むしろ2回目の接種前に注意して、抗アレルギー薬を服用するのも選択肢です。
24時間以上経ってからの発疹や局所反応はIgEとは関係がないと思われますので、2回目接種
への注意事項とはなりません。
(下記に本論文のCDCの推奨事項を日本語訳で掲載します。前回のブログで紹介したものと同じ
です。接種時の問診の説明に使用しましょう。)
私見)
アナフィラキシーを起こす人の約半数は、以前に何らかのアレルギー反応を有する人です。
しかし、本ワクチンとは直接的な関連性はありません。
十分な体制を準備することが、多くの人へのワクチン供給に繋がります。
1 ワクチン推奨事項.pdf
2 Anaphylaxis to vaccinations.pdf
トリアージ.pdf
トリアージ2.pdf
ファイザーワクチン取り扱い.pdf