2021年02月01日

結腸憩室炎のガイドライン・medscapeより

 
結腸憩室炎のガイドライン・medscapeより
 
Practice-Changing Pearls From New Diverticulitis Guidelines



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 新しい結腸憩室炎のガイドラインについての簡単な説明が、medscapeに掲載されています。
要点が記載されていますので、それをブログにしてみます。


1) 継続的な治療にもかかわらず症状がくすぶり続ける人は(smoldering)5%程度います。
   以前のガイドラインでは放射線の曝露の問題からCTの使用は限定的とされていましたが、本ガイド
   ラインからは診断確率と病状の進展に対する評価から、早期のCT検査も選択すべきとされて
   います。
   大腸内視鏡検査は、以前は炎症の消褪を待ってからが望ましいとされ6〜8週間後を推奨して
   いましたが、今回は症状が軽快し炎症が収束すれば、4〜6週での検査を勧めています。
   もしも本患者が以前に精度の高い大腸検査を実施していれば、繰り返しての大腸内視鏡はしなくても
   よいとしています。

2) 全身症状が悪い人、フレイルの人、炎症所見のCRPの高値や白血球増多が認められる場合は別
   ですが原則としては、抗生剤の投与をしないで経過観察でもよい。

3) 赤肉を中心とした欧米食から、魚や野菜中心の地中海食は憩室炎を30%減少させます。
   ナッツ、種子、ポップコーンは憩室の中に入り込んで炎症を引き起こすとされていましたが、これは
   迷信で証拠はありません。
   積極的な運動、体重の減少、ダイエット、禁煙、鎮痛解熱剤の中止(心血管疾患における少量アスピ
   リンの服用は例外)は憩室炎のリスクを軽減します。
   ただし遺伝的背景も約50%認められています。

4) 潰瘍性大腸炎の治療薬であるサラゾピリン、プロバイオティクス、リファンピシンの有効性はそれ程
   ではないようです。
   (この点に関しまして、uptodateより引用します。更に下記に関連文献を添付します。)




Mesalamine – Based upon the theory that chronic inflammation plays a role in diverticulitis, anti-inflammatory agents, such as mesalamine, have been used to treat diverticulitis [75-79]. A 2017 Cochrane systematic review and meta-analysis of seven randomized trials, however, found no evidence of an effect when comparing mesalamine with control for prevention of recurrent diverticulitis (31.3 versus 29.8percent; relative risk 0.69, 95% CI 0.43-1.09; very low quality of evidence) [80]. Therefore, we do not suggest mesalamine to prevent recurrent diverticulitis [30]. There is even less evidence to support the use of other agents such as rifaximin [81] and probiotics [82].





5) 憩室炎の再発は最初の年で8%、10年で20%と言われています。
   2回の再発例では次の年で18%、10年で55%が再発します。
   3回の再発例の場合は、その後3年以内に40%も再発します。
   再発の頻度が増す程に、その後の再発率は上がります。

6) 待機的手術の適応は個々の症例によります。
   手術した場合は5年後の再発は15%ですが、内科的治療群では51%です。
   また、手術しても症状は5年間で25%も継続してあるとの事です。
   手術が万能薬ではありません。






私見)
 本院で推奨していたサラゾピリン少量投与とプロバイオティクスに関しては、今しばらく勉強させて
 ください。






1 憩室炎 ガイドライン.pdf

Mesalamine.pdf

Secondary prevention of diverticulitis with rifaximin or mesalazine.pdf








posted by 斎賀一 at 20:07| Comment(1) | 消化器・PPI