2021年02月12日

ファイザーの新型コロナ・ワクチンのパンフレット  CDCより

 
ファイザーの新型コロナ・ワクチンのパンフレット  CDCより
    
<業務連絡>



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 CDCより、ファイザーのコロナ・ワクチンの取扱説明書が提示されています。
日本語に翻訳しましたので、事前に習得し本院での接種様式を確立してください。
誤訳していると大変なので、原文も下記に提示します。
実際には今後変更があると思いますので、改めてブログします。
動画サイトを下記に提示します。外国語ですが身振り手振りで理解しましょう。

 尚、本院ではカロナールのテイクアウトは自費扱いとして、アレロックとガスターに関しては、集団の場合は自費を考えています。アドレナリンの筋注は大腿外側部とします。アドレナリン2回目は、アドレナリン
鼻用噴霧をま想定してください。

 政府は国民に忖度してイケイケどんどんです。職員の皆様、慌てず、しっかりと準備してください。





            職員の皆様!
            僕の傑作の “ここを” 見てほしかったんですよ!!


                       

            ファイザーのワクチン本院用.pdf

            ファイザーのワクチン 原文.pdf






動画は先ず簡単にこちらから

https://search.yahoo.co.jp/video/search?p=Pfizer-BioNTech%20COVID-19%20Vaccine%20Vaccine%20Preparation%20and%20Administration%20Summary%20Cdc&sp=1&aq=-1



次に本格的にこの動画、連続して放映しますので我慢してください。

https://www.youtube.com/watch?v=_ajYGg78chk



うまくアクセスしなかったら下記も試みてください。

https://www.youtube.com/watch?v=H_eyREcn1Xg

https://www.youtube.com/watch?v=0Msd04Tvc3g

https://www.youtube.com/watch?v=UUS9A77aCzM

https://www.youtube.com/watch?v=bBaACVzcR7s



筋肉内注射の動画です。参考にしてください。
 https://www.youtube.com/watch?v=Dzdf2YfOuQw















posted by 斎賀一 at 17:37| Comment(0) | 感染症・衛生

2021年02月09日

アナフィラキシー再考

アナフィラキシー再考

 <業務連絡


 新型コロナ・ワクチンの接種が始まろうとしています。
ワクチンに関する情報も大事ですが、実地医家にとっては接種の安全性も、より重要です。
 本ワクチンは安全性がかなり担保されていますが、拙速の感を免れません。
しかしそれを後押ししているのは社会の動向です。かくなる私もワクチン接種に協力する立場です。
本院のスタッフは全員で、集団接種と個別接種に手を挙げてくれました。
この機会にアナフィラキシーを再勉強し、本院スタッフ全員で準備をしましょう。


先ずケアネットの岡田正人氏の講義を纏めてみました。

 ・アナフィラキシー症状は皮膚症状が90%、呼吸器症状が50%、循環器症状が30%、
  消化器症状が30%で注意が必要。
  つまり皮膚か粘膜(口唇、舌、口蓋垂)の急な発症と、呼吸器か循環器の何れかの症状を伴う。
 ・血圧の低下とは通常より30%の低下をいう。
  (高血圧の人は120以下、健康な人は100以下で注意でしょうか。)
 ・アナフィラキシーの病態は、血管が拡張して血管内の水分が漏出するためです。
  そのために、アドレナリン(ボスミン、エピネフリン 何れも同義語)を筋注して血管を収縮させます。
  脚を挙げて体液を心臓に戻さなければ、いくらボスミンを注射しても空回りをしてしまいます。
  つまり、脚を挙げてボスミンを注射することがセットです。
 ・ボスミンを皮下に注射したのでは、血管が収縮して吸収されません。
  筋肉に注射すると、筋肉内の血管が拡張して吸収されます。
  なぜ動物はアドレナリンを分泌するようになったのでしょう。
  それは敵から逃れるためです。
  気管を拡張し皮膚の血管を収縮して、更に筋肉内の血管が拡張し血液を筋肉内に送り込んで全力で
  走って逃げるためです。
 ・なぜ人間はアナフィラキシー反応を起こすのでしょう。
  生命を脅かす物質が侵入したことを察すると、全身の体液を放出してその物質を排出しようとする
  ためです。
 ・花粉症の季節では気道や鼻腔も狭くなっているため、アナフィラキシー反応が軽くても症状が重く
  なることに注意が必要です。
 ・アナフィラキシーには二相性があることに注意が必要です。
  初期治療で軽快しても、必ず二次施設に転送することが大事です。 



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 ・軽症のアレルギー反応とアナフィラキシーの初期との鑑別は難しいことがある。
  また、ストレスによるアレルギー類似の所見がある。その時は抗ヒスタミン薬(OD錠)を先ず試みる。


本院における準備

 ・エピペンは、患者さん用の自己注射と私は捉えています。
  本院では、アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」を使用します。




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 ・筋注に関して下記のPDFを参照ください。
 ・ポララミンドライシロップ 又はアレロック(5mg)OD錠 ガスター 
  点滴セット メプチンキッド吸入



総論として今日の臨床サポートより

 ・H1 受容体拮抗薬は、呼吸・循環の安定化を図るための初期治療としては勧められない。
  ⽪膚粘膜症状の改善を目的とした投与は推奨される。
  クロルフェニラミン(ポララミン)またはジフェンヒドラミン(レスタミン)
  本院ではポララミンドライシロップ又はアレロックOD錠(5mg)
 ・H2受容体拮抗薬は、呼吸・循環の安定化を図るための初期治療としては勧められない。
  アドレナリンの投与でも喘鳴、⽪膚症状が改善しない場合に投与してもよい。
  H1受容体拮抗薬と併⽤することが望ましい。(ガスター)


 ・時間経過

  急性期症状:アレルゲンへの曝露後、数秒〜2時間(通常は5〜30分)で発症する。
          稀に数時間後に発症することもある。
  ⼆相性反応:アナフィラキシー全体の1〜23%にみられるが、2010年以降は0〜6%の報告が多い。
          多くはアナフィラキシーに⾄らない軽症で、蕁⿇疹がみられる程度であるが、稀に重症
          な場合もある。
  遷延性反応:急性期症状が32時間まで持続する例も報告されており、遷延性反応と呼ばれる。

 ・診断基準1;⽪膚粘膜症状(S)が急速(数分から数時間)に出現し、気道(A)、呼吸(B)
         循環(C)の何れか1症状以上を伴った場合は、アナフィラキシーと診断する。
         アナフィラキシーの80%以上がこの基準を満たす。
 ・診断基準2;⼀般的にアレルギーの誘因となり得る物質への曝露後、気道(A)、呼吸(B)
         循環(C)、消化器(D)、⽪膚(S)の何れか2症状が急速(数分〜数時間)に出現したら
         アナフィラキシーと診断する。
 ・診断基準3;既知のアレルゲンに曝露後、急速(数分〜数時間)に、⾎圧低下が11歳〜成⼈では
         <90mmHg、または、全年齢で平常時収縮期⾎圧の<70%)がみられる。
         (私としては診断基準1を採用、血圧低下は120以下とします。)

 ・いくつかの重症度分類が提唱されているが、世界的に標準化された⽅法はない。
 ・アドレナリン筋注の遅れは死亡率を⾼め、⼆相性反応の発⽣率を⾼めるという報告があり、
  アナフィラキシーを疑った時点で、速やかにアドレナリンを投与する事が⼤事である。
  アドレナリン(1:1000 = 1mg/ml製剤)0.01mg/kg (成⼈0.5mgまで、⼩児0.3mgまで)を
  筋注(⼤腿近位1/3、前外側を推奨)、効果がなければ5〜15分ごとに反復投与する。
  通常、1〜2回の投与で効果がみられる。しかし、追加の投与が必要となることも少なくない。
  アドレナリン筋注を⾏ったアナフィラキシーの16〜36%は、2回以上の繰り返し投与が必要であった
  と報告されている。
 ・筋注の部位は⼤腿近位1/3前外側で、アナフィラキシー患者を対象としたRCTは存在しないが、
  健常者へのRCTで上腕への⽪下注や筋注よりも、⾎中濃度が速やかに上昇することが確認されて
  いる。
 ・アナフィラキシーの初期治療薬剤としてのアドレナリンの重要性から、併⽤禁忌については
  「アナフィラキシーショックの救急治療時にはこの限りではない」と記載されている。
 ・β遮断薬を使⽤中の患者で、アドレナリン筋注の効果がみられない場合、グルカゴンの投与が推奨
  される。 β遮断薬を使⽤中(内服、点眼など)の患者では、アドレナリンの効果が阻害される。
 ・喘鳴を呈する場合でアドレナリン筋注に反応しない場合には、サルブタモール(ベネトリン)
  成⼈2.5mg/3ml(⼩児0.5〜1.5mg/3ml)などのβ2刺激薬のネブライザー吸⼊
  (なければMDI+スペーサー)も⾏ってよい。






私見)
 あらゆるケースを想定してシュミレーションしましょう。
 下記の図譜もご参照ください。






アナフィラキシー 図表.pdf

ボスミン注.pdf

筋肉注射.pdf










posted by 斎賀一 at 20:03| Comment(0) | 感染症・衛生

2021年02月08日

心房細動;NEJMの総説

心房細動;NEJMの総説
 
Atrial Fibrillation
     n engl j med 384;4 nejm.org January 28, 2021


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 雑誌NEJMに、症例を示した総説が載っていますので纏めてみます。
アメリカでは、55歳以上の人に37%も心房細動が認められるとの事です。
新たに心房細動と診断されると、その後19%の人は肺炎、心筋梗塞、肺塞栓症、甲状腺疾患、アルコール依存症などになり易いとの統計があります。
 最近では心房細動そのものが脳卒中、心不全、薬剤の副作用に晒される危険性があると指摘されて
います。
また論争が続いていますが、心房細胞の電気生理的異常と、構造異常(線維化、心房細動の電気的
増悪)も解明されています。
もし治療介入をしないと、線維化が進行して持続性の心房細動に進展するとされており、単に発作性心房
細動から持続性心房細動に移行すると考えるのでなく、心房細動そのものを進行性と捉えています。



進展(リモデリング;構造変化)の図が載っていますので掲載します。



          30208-7.PNG



 
肺静脈壁内には左心房から連続する心筋組織(myocardial sleeve)が存在しており、そこに電気的に
心房細動を引き起こす病変が生じます。
最初は単にそこから異常波が出るだけですが(発作性心房細動)、やがてその心房細動波がブーメランの
ように戻ってきて、心房細動波を繰り返し発生してしまいます。(持続性心房細動)
更に線維化が進行しリモデリングが悪化すると、心房細動を引き起こす病変も多発してしまい、もはや
正常のリズムが維持できなくなってしまいます。 (長期持続性、永続性)


1) 心房細動と診断された方の2/3は発作性心房細動ですが、年に5〜10%の割合で持続性心房細動
   へと進展します。治療により正常心拍に戻っても、20%は再発しています。

2) 心房細動の症状は多彩で、易疲労感、運動量低下など一般的で、特に発作性心房細動の際には
   診断が見落とされます。
   深酒のアルコール飲みが心房細動を誘引することはよく知られていますが、コーヒーとの関連性は
   明白ではありません。


3) 治療

   【頻脈(レ−トコントロール)】
   βブロッカーとワソラン、ヘルベッサーが主体です。
   基本は漸増です。特にβブロッカーは徐脈、ワソランとヘルベッサーは心不全の悪化の副作用に
   注意が必要です。
   多くの専門家は脈拍数を80に目標としていますが、症状がなく心機能に影響がなければ、80以上
   でも構わないとしています。
   βブロッカーとワソランの併用は可能ですが、高齢者は血圧低下に注意が必要です。
   心不全を合併している場合には、少量のジギタリス製剤(ハーフジゴキシンの半錠又は1錠)の
   併用も有効です。
   またホメオスタシスの原則により、薬剤の介入なく自然に頻脈が軽快することも多くあります。
   ただ高齢者の場合には正常(洞調律)になっても徐脈傾向が進行する場合があり、ペースメーカーの
   適応となる事もあります。
   高齢者でカテーテルアブレーション後に徐脈を伴う場合も、ペースメーカーの併用が考慮されます。

   【脳卒中の予防】    
   抗凝固薬が適応となります。
   CHA2DS2-VASc scoreが2点以上で適応です。 (年間2.2%以上のリスク)
   女性の場合は(それ以外のリスクが)1点以上で考慮となります。 (年間1.3%以上のリスク)
   ワーファリンは僧房弁狭窄症や機械弁の患者さんに適応ですが、それ以外はDOACが優位です。
   除細動(cardioversion;電気的除細動と薬剤的除細動があります。)
   低リスクの人でも除細動後に心房内に血栓が生じて、塞栓症の危険があります。
   それは心房の器質的回復が除細動後から遅れるからです。
   そのため、心房細動の発症が48時間以内で血栓症のリスクが低い場合は、抗凝固薬を事前投与
   なくとも除細動が可能ですが(リスクは0.7〜1.1%)発症後48時間以上経過している場合は、
   除細動前の3週間と後の4週間に抗凝固薬投与が必要となります。
   もしも急を要する除細動の場合は、食道エコーにて心房内血栓がないことを確認し、抗凝固薬併用の
   もとに実施することも可能です。
   血栓症のリスクが高い人では(CHA2DS2-VASc score)除細動後に抗凝固薬を続けることが一般
   的です。

   【アブレーション】
   持続性心房細動の人は、それに慣れていて生活の活動性低下を実感しない人もいます。
   しかし、早期での介入(アブレーション)が生命予後に大事です。 (22%の減)
   アブレーション後、最初の3か月間では50%の人に心房細動、頻脈、心房粗動が生じます。
   薬物治療や除細動が必要な時もありますが、一般的には自然に回復します。
   アブレーションの耐久性(有効期間)や新たな病変の発生により、長期観察での心房細動の再発は
   15〜50%と言われています。
   アブレーション後に心房細動が再発した場合は、QOLに悪影響が無ければ、繰り返しのアブレー
   ションは必ずしも必要でないとしています。
   その場合にダイエット、禁煙、節酒、血圧、脂質異常、糖尿病、睡眠時無呼吸などの厳格な管理が
   必要となります。


4) 今後の課題
   正常のリズム(洞調律)を維持することがその後の生命予後に好転するかは十分なエビデンスはあり
   ませんが、最近の研究では早期での介入は明らかに生命予後に良い結果です。
   心房細動の再発に気付かない場合もあり、アブレーション後の長期に亘る抗凝固薬服用の必要性も
   今後の研究課題としています。







私見)
 医学の進歩は著しいものです。
 特に発作性心房細動に対する捉え方、治療の戦略はその感があります。
 心房細動は進行性病変と捉える必要性があり、早期診断早期治療の原則が当てはまります。
 終活の医師にとっては、つらい日々が続きます。









posted by 斎賀一 at 20:19| Comment(0) | 循環器