2021年02月20日

新型コロナの心筋傷害の特徴

新型コロナの心筋傷害の特徴

 
Microthrombi As A Major Cause of Cardiac Injury in COVID-19:
A Pathologic Study


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 従来の心血管疾患における心筋梗塞では、梗塞部位は血行動態の関係で心外膜よりも心内膜の方が虚血が起こりやすく、且つ血小板を中心とした血栓が主役と言われています。
 (心臓を養う冠動脈が心外膜から心内膜に貫通しているためです。心内膜下では心内腔からの血液循環はありますが。)
一般的な心筋梗塞ではSTEMI(すてみ)ともいわれ、心電図でST上昇を伴う心筋梗塞で、心筋が広範囲に壊死を生じた貫壁性心筋梗塞です。つまり心外膜側のやや太めの血管が閉塞された結果です。

 今回、新型コロナにおける心筋壊死(心筋梗塞)の剖検例の解析が報告されています。
新型コロナでの剖検例を調べますと、心筋壊死つまり心筋梗塞を起こした範囲は小さく、その原因となる血管内血栓は心筋内部の小血管で、血小板よりもフィブリン(繊維素)が主体のようで、一般的な心筋梗塞とは趣を異にしています。
また一般的な心筋梗塞では、治療としては抗血小板薬である少量のアスピリンやプラビックスですが、新型コロナにおける心筋梗塞は小範囲のため心電図診断も苦慮しますが、治療は抗凝固薬のDOACとなることも想像されます。




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上の図が一般的な心筋梗塞の貫壁性心筋梗塞です。下の図はコロナ患者の心筋内の小血管閉塞による心筋壊死です。



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        矢印は小血管内血栓を示しており、黒い範囲が壊死となっています。
        右のG画像は、血小板に対するCD61の染色を表しています。




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CD61が血小板を染めていますが、C5b-9はフィブリンからの補体を染めています。
その他はフィブリン関係の染色です。一番下の図がコロナ関連の微小血栓を示していますが、その上のコロナでない(non-COVID-19)微小血管の血栓と比較すると、明らかにフィブリンと補体のC5b-9が強く染まっています。






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私見)
 新型コロナはあらゆる臓器の微小血管に、フィブリンのリッチな血栓を形成する病態のようです。









Microthrombi As A Major Cause of Cardiac Injury in COVID-19_ A Pathologic Study.pdf















posted by 斎賀一 at 18:27| Comment(0) | 感染症・衛生

2021年02月19日

新型コロナ・ワクチンによる血液障害

 新型コロナ・ワクチンによる血液障害
 
A Few Covid Vaccine Recipients Developed a Rare Blood Disorder


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 ニューヨークタイムズの報道によると、新型コロナ・ワクチンの接種によって極めて稀ながら血小板減少による出血傾向が見られ、その中の一例に脳出血による死亡例もあるとの報道がありました。
ファイザー及びモデルナのワクチンにおいて発生しています。
中には血小板がゼロの症例もあります。

 専門家の見解としては、もともと自己免疫性血小板減少症の人が新型コロナ・ワクチンを接種することにより、免疫機能に何らかの影響が生じて血小板減少症を悪化させたためとしています。
救急外来でも皮下出血を見落とされることがあるようで、稀とは言え接種者、特に自己免疫性血小板減少症の既往のある人には、接種後の対応について十分な説明が必要な様です。







A Few Covid Vaccine Recipients Developed a Rare Blood Disorder - The New York Times.pdf










posted by 斎賀一 at 17:50| Comment(1) | 感染症・衛生

2021年02月18日

コロナ・ワクチンは感染に悪影響(悪夢)はない

コロナ・ワクチンは感染に悪影響(悪夢)はない
 
With COVID Vaccinations Comes a Potential Nightmare Scenario


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 最近、よく巷で言われています新型コロナ・ワクチンは、感染者(symptomatic)の減少には効果があるが感染症全体に対する効果(無症状者;asymptomatic)は不明であるとする見解に対して、そのような悪いシナリオ(悪夢)に心配はないとするコメントがmedscapeに掲載されていました。

 悪いシナリオとは、新型コロナに既に罹っている人がワクチンを受けて無症状になる、所謂キャリア
(不顕性感染者)となって社会全体としてコロナの伝搬に悪影響を起こさないかとの推測です。
その根拠は、ワクチンは免疫グロブリンのIgGに影響するが鼻咽頭にあるIgAには作用しないため、感染そのものには効果がないとする説です。
しかし、モデルナとアストラゼネカのワクチンにおいてはデータは限定的とは言っても、ワクチンによりasymptomatic(無症状者)をも減少させていました。
ファイザーのワクチンに対しても今後の調査発表を待つ必要性がありますが、同様の結果が推測されるとしています。
ワクチンがメアリーの腸チフス(不顕性感染)の再現にはならないとしています。





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                      悪夢のシナリオ



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            アストラゼネカのデータより       良い夢として






最後に論者は述べています。
「ワクチンの効果は感染そのものを減少させるが、無症状者をすべて無くす事は出来ていない。
そのためにワクチン接種後のマスク、ディスタンスは遵守しなければならない。」







コロナ 悪夢.pdf










posted by 斎賀一 at 12:30| Comment(1) | 感染症・衛生