2021年01月12日

炎症性腸疾患の病態生理・その1 院内予習編 CD4細胞(T細胞)について

炎症性腸疾患の病態生理・その1
院内予習編 CD4細胞(T細胞)について


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 雑誌NEJMに、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の総説が載っていましたので、次回に纏めてみますが、その前にリンパ球、特にT細胞について勉強しましたので、ブログして皆さんと予習してみます。


1) CDマーカー: 白血球、特にリンパ球の表面分子を抗体法で分類したものです。野球の選手の
   背番号の様なもので、専門家でない私はそれだけではどのポジションで、何番バッターか分かりま
   せん。CD4がヘルパーT細胞(Th細胞)で、CD8がキラーT細胞(Tc細胞;細胞傷害性T細胞)です。
   CD4細胞の表面には抗原特異的レセプターがあり特異的に反応しますが、CD8つまりキラー細胞
   には一般的なレセプターがあり、広く一般的に感染細胞を攻撃します。

2) CD4つまりヘルパーT細胞(Th細胞)は、その主として産生するサイトカインの相違によっていくつか
   の亜群に分類されます。




         20112-2.PNG ←クリックで拡大


   上の図は、ネットから引用しました。

   ・Th1細胞は、INF-γを産生しマクロファージや好中球を活性化させ、その貪食作用を増強します。
    更にB細胞が形質細胞に変化してからのIgMからIgGへのスイッチにもINF-γを分泌して関与
    します。

   ・Th2細胞は、B細胞が抗体を産生する形質細胞に変化する際に必要なサイトカインを分泌します。
    更にTh2細胞からのサイトカインだけではIgEだけを産生してアレルギーを引き起こしますが、
    Th1細胞の分泌するサイトカインと協力して、感染症に大事なIgGを産生します。
    つまり、感染症にもアレルギーにもTh1とTh2のバランスが大事です。

   ・Th17細胞は、サイトカインのIL-17を分泌することから命名されています。
    このIL-17は局所の上皮や線維芽細胞に働き、そこからケモカインを分泌させ白血球やマクロ
    ファージを呼び寄せて炎症を起こさせます。

   ・Treg細胞は免疫反応を沈静化させます。

   ・Tfh細胞について
    T細胞は免疫組織の中でT細胞領域に局在しており、B細胞が局在する濾胞とは別の場所に存在
    します。    
    しかし抗原が侵⼊すると、活性化したT細胞の⼀部がTFH細胞となり、B細胞がいる濾胞へ移動
    します。
    そしてB細胞の働きを補助します。





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               理化学研究所文献より



3) ナイーブ又は前駆細胞のTh0細胞は、Th1にもTh2にも変化可能な細胞です。
   どのような条件でどちらに変化するかは、局所反応とかサイトカインなどのいろいろな因子が考え
   られています。




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私見)
 下記のPDFも参照してください。




免疫 ブログ編.pdf

免疫基礎編.pdf












posted by 斎賀一 at 20:03| Comment(0) | 消化器・PPI

新型コロナに関しての患者さんへのお願い

新型コロナに関しての患者さんへのお願い



 第3波により、市原市でも新型コロナの患者さんが急増しております。
本院も従来通り、感染症対策に充分注意して参ります。しかし保健所の対応もすでに限界を超えて
います。本院もできる限りの協力体制をひいておりますが、下記の点をご理解願います。


 ・無症状の濃厚接触者の診療は、原則行っていません。
  一度、保健所にご連絡して指示を仰いでください。

 ・本院は原則、新型コロナの早期発見による早期治療を目的としております。
  そのため、発熱が37.5度以上の患者さんのみ発熱外来を行っております。
  本院は発熱外来に特化しておりませんので、PCR検査は割り当てがあり、患者さんのご要望に対して
  充分に応えられていません。

 ・症状のある濃厚接触者の方は原則、まずはオンライン診療を行いますので、登録を行ってください。
  もし登録ができない方は、本院の機器によるリモート診療をご案内いたします。

 ・患者さんの動線を確保するため、上気道感染の疑いのある方は車で来院していただくか時間差での
  診療となります。ご迷惑をお掛けいたします。













posted by 斎賀一 at 18:31| Comment(0) | その他

2021年01月07日

本院での取り組み

本院での取り組み

患者さんへのお願い



 昨年の2月より、コロナ対策を職員一丸となって行ってまいりましたが、更に一層の対策を行っています。
患者さんにはご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解の程、宜しくお願いいたします。

本院は、一般的な実地医家のため、コロナ感染に特化していません。当然ながら発熱患者さんや、
その他の急性疾患など、コロナ以外の疾患にも注意を払わなくてはなりません。
そのための動線、診療体制、特に、検査体制をコロナ禍で新たに構築する必要性が求められています。
全ての患者さんに、コロナ検査をしてからの診療は現実的にあり得ません。万全を期すために、患者さんにはご理解をお願いしております。なお、本院職員の努力の一端を下記のアイテムでご紹介いたします。
作成は全て本院職員の手作りです。作り方を知りたい方は担当職員がご説明します。



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私見)
 患者さんに「おれはコロナ患者じゃない。ただの風邪で診察に来たんだ。なんだこの対応は」と怒られると直ぐに心が折れますが、本日ある患者さんが「職員の皆さんの感染対策が徹底していて、安心しました」
とお褒めの言葉を頂きますと、直ぐに舞い上がってしまいます。
 いろいろな能力のある職員に恵まれて僕は幸せだな〜



本院アイテム.pdf







posted by 斎賀一 at 16:10| Comment(2) | その他