2020年11月06日

小児におけるイブプロフェンとアセトアミノフェンの比較

小児におけるイブプロフェンとアセトアミノフェンの比較
 
Comparison of Acetaminophen (Paracetamol) With Ibuprofen
for Treatment of Fever or Pain in Children Younger Than 2 Years



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 2歳以下の乳幼児における鎮痛解熱剤は、一般的にはアセトアミノフェン(カロナール、アルピーニ座薬
コカール)です。イブプロフェン(ブルフェン)は市販薬にも用いられており、両者は代表的な薬剤です。
インフルエンザや水痘ではアセトアミノフェンが推奨されていますが、イブプロフェンの方が効果がシャープな印象を持っていました。
以前の私のブログでも紹介しましたが、アセトアミノフェンには喘息を誘発する懸念がありイブプロフェンを推奨する論文がありましたが、それに反対する論文もありで実地医家としましても迷ってしまいます。
 今回雑誌JAMAより、両者の比較をメタ解析しています。


簡単に纏めてみますと

1) 7か国から19の研究論文を解析しています。対象は2歳以下の乳幼児241,138人です。
   本来は服用後4時間以内の解熱効果、または鎮痛効果を調べる目的でしたが、該当するスタディは
   4論文のみでした。多くが4~24時間での判定です。

2) 結論としては、投与後24時間での解熱効果は明らかにイブプロフェンの方が優位でした。
   また鎮痛効果もイブプロフェンが優位です。
   有害事象は、両者ともほぼ同じです。
   問題の喘息誘発も同程度でした。

3) イブプロフェンの投与量に関しては、国により異なっています。
   ニュージーランドは生後1か月児では、5mg/kg/dose で3~4回/日
   アメリカでは生後6か月からとしており、最大40mg/kg/doseとだけ記載してあります。
   本論文の著者は、3か月より幼い乳児で体重が5kg以上あれば、イブプロフェンの投与は可能として
   います。ただし脱水がないことを確認する必要があります。

4) 考察として、イブプロフェンはアセトアミノフェンと同等の効果か、やや勝っています。
   しかも喘息を含めた副作用は同程度でした。
   まさにイブプロフェンの方が優位ですが、その事が臨床的にどれだけの意味があるかは不明として
   います。





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私見)
 本院では今後も乳幼児に対して、解熱剤は使い慣れたアセトアミノフェンを第一選択とします。
 喘息の場合も、イブプロフェンに変更せずに注意深く処方して参ります。
 ただし、鎮痛薬としてはイブプロフェンを考慮したいと思います。






ブルフェン 小児.pdf











posted by 斎賀一 at 18:12| Comment(0) | 小児科