2020年10月09日

サイトメガロウイルスと心血管疾患

サイトメガロウイルスと心血管疾患

 
Associations of Cytomegalovirus Infection With
All-Cause and Cardiovascular Mortality in Multiple
Observational Cohort Studies of Older Adults



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 サイトメガロウイルスは、EBウイルスと同様に幼少期に感染し殆どが無症状です。
成人では70〜100%の人が抗体陽性です。成人になって感染するとEBウイルスと同様に伝染性単核球症を引き起こします。EBウイルスは慢性持続感染症があり、サイトメガロウイルスでは再活性化が問題になります。
サイトメガロウイルスは成人において新規感染か再活性化かはなかなか鑑別が付きません。
再活性化は人生のいかなる時にも起きます。以前よりサイトメガロウイルスの不顕性感染が心血管疾患の増悪因子となり、死亡率を押し上げるのではとの懸念がありました。
今回サイトメガロウイルスの不顕性感染と心血管疾患との関連性を調べた論文が載っていましたので、
紹介します。


1) ヨーロッパでの59〜93歳の10,122人を対象に調べています。
   サイトメガロウイルスの抗体はELISA法でIgG抗体を調べています。
   陽性率は地域により差はありますが47〜79%でした。
   経過観察期間は2.8〜11.4年間です。

2) 経過観察中に3519人が死亡しています。その内で579名が心血管疾患でした。
   全死亡のサイトメガロウイルスの危険率は1.05です。
   心血管疾患の危険率は0.97です。
   結論的にはサイトメガロウイルスとの関連性は否定的です。
   ただし、サイトメガロウイルス抗体価が高い群では危険率が高くなり、因果関係もありそうです。
   しかし交絡要因(confunder)(年齢、性差、BMI、教育、喫煙、基礎疾患、服薬、CRP)を
   配慮した後での統計では、危険率は減少します。

3) サイトメガロウイルスの感染症は、加齢による免疫機能の老化と関連して起きると考えられていま
   すが、本研究では心血管疾患の誘発因子とはなっていませんでした。






私見)
 Uptodateより調べますと、相反する論文を紹介しています。
 下記に掲載します。次回はサイトメガロウイルスに関して勉強しましたのでブログします。






Associations of Cytomegalovirus Infection With All-Cause and Cardiovascular Mortality in Multiple Observational Cohort Studies of Older Adults _ The Journal of Infectious Diseases _ Oxford Academic.pdf

Medline レジスタードマーク Abstracts for References 119-122 of 'Epidemiology, clinical manifestations, and treatment of cytomegalovirus infection in immunocompetent adults' - UpToDate.pdf

Medline レジスタードマーク Abstract for Reference 123 of 'Epidemiology, clinical manifestations, and treatment of cytomegalovirus infection in immunocompetent adults' - UpToDate.pdf2.pdf














posted by 斎賀一 at 18:01| Comment(0) | 循環器