2020年09月05日

新型コロナの小児における感染力

新型コロナの小児における感染力

Pediatric SARS-CoV-2: Clinical Presentation, Infectivity,
and Immune Responses



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 小児は新型コロナに罹りにくく、感染力も低いと思われていましたが、今回の論文ではインフルエンザのシーズンを迎えるにあたり、一石を投ずる内容です。


纏めますと、


 • 0~22歳の新型コロナの疑いや、確定診断した小児と小児発症性多系統炎症症候群
  (MIC;コロナ関連の川崎病)で救急に受診した192名を調べています。
   PCR検査を行わなければ、他の感染症との鑑別は不可能です。



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 • 登録された小児は、PCR検査、ウイルス量、ACE2量、抗体を調べています。

 • ウイルス量は発症2日が一番多く、成人よりも高い値でした。
   無症状や軽症に関係なく、ウイルス量は多い結果でした。
   乳幼児においても、ウイルスの排出は多いようです。



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小児は、呼吸器系に新型コロナの受容体であるACE2が少ないため、感染率が低いと考えられて
いましたが、本論文では、感染した小児は感染していない小児に較べて、ACE2の量(表現・提示)が
多い結果でした。
ACE2の量はウイルス量とは関連性がありません。このことは、ACE2が増加すれば感染率が
高まりますが、一度感染してしまいますと、ウイルスの増加が起きてしまうことが推定されます。
ACE2量は、年齢が若いほうが低く、年齢により増加傾向です。



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小児発症性多系統炎症症候群ではウイルス量が多くはありません。
免疫調整不全が原因と思われます。

 • 小児の早期での隔離が必要となります。




私見)
 ざっくりとまとめますと、小児はコロナウイルスの受容体であるACE2が少ない傾向ですが、
年齢とともに増加し、感染が成立したら、その後症状が軽くても、ウイルスの排出は成人並みに多く、
感染力も高い。

 今後のインフルエンザシーズンにおける根本的な対策の変更が本院で必要となりました。


本論文.pdf







posted by 斎賀一 at 17:31| Comment(1) | 感染症・衛生