2020年08月18日

新型コロナ時代のインフルエンザ

新型コロナ時代のインフルエンザ

Influenza in the COVID-19 Era
 


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 我々実地医家が危惧するシーズンが、目の前に迫って来ています。
やがて新型コロナの第二波は、ある程度収束するものと考えています。
しかし、季節性インフルエンザのほうが患者発生は多いと認識していますし、高齢者も小児も重症化の
危険が潜んでいます。どのように診断していくか思案していますが、私の考えの延長線上にある内容の
総説が雑誌JAMAに掲載されていますので、ブログしてみます。


1) インフルエンザの流行を抑制するには、新型コロナと同様にNPIs(薬以外の介入、つまりマスクや
   自粛など)が重要であるが、それらを緩和するとたちどころに新型コロナとインフルエンザが同時に
   流行する危険があります。

2) 今シーズンは、特にインフルエンザの予防接種を勧めることが大事です。
   それでなくても接種率は50%を切っています。

3) 新型コロナとインフルエンザを鑑別するには、ウイルス学的な検査が必須です。
   しかし下記の図表の如くそれぞれに特徴があるので、鑑別診断には有用です。
   インフルエンザでは発症後1週間以内に症状のピークが来ますが、新型コロナでは発症して
   2〜3週間で症状のピークがあり、しかも長引きます。

4) 今シーズンは特にインフルエンザの場合も隔離して、学校や職場の復帰については今まで以上に
   注意が必要となります。

5) 最低限に新型コロナの検査が必要となります。しかも新型コロナとインフルエンザの合併も想定
   されます。
   しかし現段階では同時に検査をすべきか、どちらを先に選択するかのガイドラインはありません。
   地域やコストの関係もあります。

6) 最後に著者は大事な点を「flexibleを保つことだ。」としています。




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私見)
 本院でのストラテジーを皆で作りましょう。
 時間はあまりありません。







本論文 jama_インフルエンザ.pdf










posted by 斎賀一 at 19:01| Comment(0) | 感染症・衛生