2020年07月10日

原発性胆汁性胆管炎(PBC)の新しいバイオマーカー

 
原発性胆汁性胆管炎(PBC)の新しいバイオマーカー
 
 Novel Anti–Hexokinase 1 Antibodies Are Associated
With Poor Prognosis in Patients With Primary Biliary Cholangitis



          20710.PNG



  PBCの患者さんは、本院でも比較的多く通院されています。
 肝障害で抗ミトコンドリア抗体が陽性の患者さんは、PBCの可能性が高まります。
  しかし、抗ミトコンドリア抗体が陰性の場合は、経過観察か肝生検となります。

 今回、新たな血液検査の報告がありました。 
 以前より指摘されていたようですが検査価格がネックです。
 また、本疾患と自己免疫性肝炎をまとめて調べましたので、次回ブログしてみます。

 1) 原発性胆汁性胆管炎(PBC)と確定診断した254名の内169名が新しい検査を受けています。
 
 2) 従来の抗ミトコンドリア抗体の陽性率は94%、新しいバイオマーカーである抗HK1抗体は46%、
    抗KLHL12抗体は23%ですが、抗ミトコンドリア抗体が陰性の場合においては、特にHK1抗体の
    陽性率は38%(6/16)と、2次検査として頼れそうです。
    しかも、HK1抗体陽性の場合は進展が早い傾向で、予後判定にも有効のようです。




 私見)
  HK1抗体検査は保険適応になっていません。自費での検査となり数万円とかなり高額です。
  いつものように気が萎えてしまいます。
  そういえば、新型コロナの検査を大いにやる政府の宣伝とは裏腹に、いつまで経ってもポピュリズムに
  のった方針で、さすがに私は完全に萎えちゃっています...。
  それでも最近、原発性胆汁性胆管炎と自己免疫性肝炎の患者さんに説明をしていた時、あまり納得
  してもらえなかったので、萎えちゃった体に鞭を打って次回ブログしてみます。





本論文.pdf

PBCの検査.pdf

PBCの検査 (2).pdf












posted by 斎賀一 at 18:09| Comment(1) | 消化器・PPI