メトグルコは中等度の腎機能低下でも処方可能
Hospitalization for Lactic Acidosis Among Patients With Reduced
Kidney Function Treated With Metformin or Sulfonylureas
Kidney Function Treated With Metformin or Sulfonylureas
メトグルコは安価で低血糖の心配も少なく、体重増加の副作用もありません。
そのため糖尿病治療薬の第一選択薬です。ただし、シックデイ(下痢や嘔吐、造影剤使用)の場合と乳酸アシドーシスの発生に注意が必要です。特に腎機能低下の患者さんには十分な配慮が大事だとされて
います。
しかし最近のエビデンスは、中等度の腎機能低下では必ずしも禁忌ではないとされています。
この点に関しましては私のブログでも以前に紹介しています。
今回、雑誌Diabetes Careから、腎機能低下(eGFRが60mL/minute以下)で服用しても禁忌では
なさそうとの論文が掲載されています。
纏めますと
1) メトグルコの対照薬としてス、ルフォニル系薬剤を選んでいます。
ある期間服用後に、eGFRが60mL/minutesを切った時点から調査を始めています。
下記のsuppleの図をご参照ください。
2) 結論
腎機能が低下してからの服用で、乳酸アシドーシスによる入院の発生の頻度は、メトグルコと
スルフォニル系薬剤と有意差はありませんでした。
メトグルコ群では4.2人/1,000人に対して、スルフォニル系薬剤は3.7人/1,000人でした。
サブグループとして腎機能がさらに低下した45mL/minutesでは、メトグルコ群で12.9人/1000人で
スルフォニル系薬剤では8.6人/1000人でした。
やはりsuppleの方が分かりやすいので、下記に掲載します。
私見)
サブグループとして腎機能のeGFRが30mL/minutes以下は検討していません。
FDAの勧告通りに禁忌とした方が良さそうです。
結局、メトグルコは60以下で処方しても良いのですが、45以下になったら要注意と言うことでしょうか。
メトグルコ 本論文.pdf