新型コロナの抗体は早期に減退?
Rapid Decay of Anti–SARS-CoV-2 Antibodies
in Persons with Mild Covid-19
This letter was published on July 21, 2020,
and last updated on July 24, 2020, at NEJM.org
in Persons with Mild Covid-19
This letter was published on July 21, 2020,
and last updated on July 24, 2020, at NEJM.org
報道でもされていますが、新型コロナの抗体は期待するほどには持続せず、再感染の危険やワクチンに
対する効果も疑問視され懸念されています。
今回雑誌NEJMより、カリフォルニアから具体的症例集が短報(correspondence)として掲載されて
いましたのでブログしてみます。
1) 抗体検査は、新型コロナウイルスの表面にあるスパイク抗原に対するIgG抗体検査をELISA法で
調べています。(以前の私のブログでも紹介しましたが、スパイク抗原に対する抗体は必ずしも
ウイルスの防御に働く中和抗体を調べてはいません。中和抗体を正式に調べるには、動物実験が
必要なようです。)
2) 34名の対象者はほとんどが軽症者としています。 平均年齢は43歳(21~68歳)
34人中31人は時間をあけてIgGを2回測定し、3人は3回測定しています。
最初の測定は発症後平均37日後(18~65日) 最終測定は平均86日(44~119日)です。
3) 結果的にはIgGの半減期(半分に減少する期間)は、平均で36日でした。
つまり、1ヶ月もすると抗体は半分に減少してしまいます。
筆者は「スパイク抗原がウイルスの侵入に重要な働きがあるので、これに対する抗体は中和抗体
(病気の予防効果)に匹敵すると警告しています。
論評)
論評では、必ずしも直接的な中和抗体を調べていない点に注意が必要としています。
本論文も、中国からの報告でも、新型コロナウイルスに対する本来の、免疫機能のT-細胞
に関しては調べていないとしています。
私見)
ワクチンの効力に関して、今現在判断するのは早計だと思いますが、少なくとも抗体のIgGを
検査して、今後の免疫力を判断するのは控えた方が良さそうです。
抗体検査1.pdf
抗体検査 2.pdf
抗体検査3.pdf
ブログ1.pdf
ブログ2.pdf
ブログ3.pdf
ブログ4.pdf