小児の新型コロナ感染症・JAMAより
Severe Acute Respiratory Syndrome Coronavirus 2 (SARS-CoV-2)
Infection in Children and Adolescents
Infection in Children and Adolescents
小児における最近のデータが、雑誌JAMAに掲載されています。
PubMedなどのデータベースを集積しています。
1) 2019年12月1日から2020年3月3日までの815の報告論文のデータをまとめて解析しています。
新型コロナ感染を確診した18歳以下の1,065人を対象にしています。
内訳は、10歳以下が444人で10~19歳が553人です。(重複しているケースは除外しています。)
殆どが中国発です。
2) 感染の追跡調査では、殆どが家庭内の濃厚接触です。
一例の乳幼児は集中治療が必要でしたが、その他は全て軽症でした。
症状は発熱、乾性咳、倦怠感、鼻閉、鼻水が主です。
嘔気、嘔吐、下痢の消化管症状は、乳児や新生児に認められていますが稀でした。
レントゲンやCT所見は成人と同じで、細気管支壁の肥厚、スリガラス所見、肺炎像です。
10歳以上で一例死亡例がありましたが、その他は1~2週間でほどなく回復しています。
3) 考察
新生児の感染は、母親からの周産期感染の可能性が指摘されています。
最近の報告では、コロナ患者の母親で帝王切開した9例の新生児には全例感染を認めていません。
この事より、経産道感染や出産後の授乳による感染が考えられています。
しかもSARSやMERSでは、垂直感染は認められていません。
中国では感染した母親からの授乳は控えて、粉ミルクを勧めています。
殆どが家庭内家族からの濃厚接触ですので家庭内に患者が発生した場合は症状の有無に関わらず
小児は全例PCR検査をすべきとしています。
小児の場合は、鼻咽頭スワブでのPCR検査が陰性になっても便中は陽性でした。
アメリカのJohns Hopkinsからの報告では、小児例の重症度は成人例と同じで注意が必要として
いますが、それでも本論文では小児の重症、重篤例は稀としています。
小児では無症状や軽症が多い傾向ですが、感染源としては特に注意が必要としています。
また小児では、無症状や軽症でも胸部画像所見は認められており、下気道感染の易感染性が心配
されます。
私見)
小児において川崎病に類似の所見があり、警戒が求められています。
(下記のPDFもご参照ください。)
問題は今季のインフルエンザの時期です。
特に乳幼児においてはインフルエンザ感染が問題です。
その頃には新型コロナは終息状態と思われますが、鑑別診断としては依然として重要な疾患のまま
でしょう。
もう世の中の御上は我々開業医を無視しています。
まだ十分に時間はあります。夏の台風も到来します。森田ちゃんも頼りにできません。
本院の長所は明日からでも方針を実施できる点です。
以前の私のブログもご参照ください。
1 コロナ 小児.pdf
2 小児における新型コロナウイルス感染症_ _Font Size=_6_斎賀医院壁新聞_Font_.pdf
3 Kawasaki Disease From COVID-19 in Kids_ How Common_ _ MedPage Today.pdf